米アマゾン、ドローンの音声操作特許を取得 やかんの沸騰を確認し、迷子も捜索

米アマゾン、ドローンの音声操作特許を取得 やかんの沸騰を確認し、迷子も捜索

 米国時間の2016年10月18日。米アマゾンは、US 9,471,095 B1というパテント番号の特許を取得した。この特許は、小型のUAVを音声で操作するもの。その特許申請書に書かれた内容から、アマゾンが描く未来の小型ドローンを探る。(田中亘)


コンシューマからビジネスまで包括的に適応させる特許

 アマゾンが取得した特許は、音声で操作する小型UAVのアシスタント関連のテクノロジー。その利用イメージのひとつが、申請書に書かれている処理フロー図。「飛べ(hover)」などの簡単な音声コマンドを認識してドローンが飛行し、「やかんは沸騰しているか?」や「ガレージは閉まっているか?」などの命令を理解して、小型ドローンがカメラやセンサーを駆使して、目的を遂行する。これら一連の命令を実行するために必要と思われるRFIDやセンサー関連についても、記載されている。
 利用例の中には、駐車場で自分の車を探させたり、迷子になった子供を探したり、赤外線カメラで火災を発見したり、警官が携帯するライブカメラとして機能すなるど、コンシューマからビジネスまで、包括的な用途を想定している。例えば、書類に記載されているイラストは、小型ドローンが警官の肩に待機している様子だ。

特許に記載されている音声コマンドによる小型ドローンの飛行フロー図。

警官の肩に乗る小型ドローンのイメージ図。

AI(人工知能)とクラウドとECHO(エコー)を駆使したドローン特許

 なぜアマゾンが音声によるドローン操作の特許を取得したのか。
 背景にあるのは、2年ほど前にアマゾンが発売したECHO(エコー)という家庭用の音声認識型AI端末の存在だ。
 Amazon Echoは、インターネットに接続するマイクとスピーカーで、クラウドにあるAlexa(アレクサ)という人工知能(AI)を使って、利用者が音声で天気や渋滞状況や商品の注文を行える端末になっている。iPhoneに搭載されている音声アシスタントのSiriに似ているが、AIのAlexaによって、より高度な文章やコマンドを理解できる。また、Alexaが他のインターネットのサービスと連携することで、利用者に提供できる情報やデリバリーなども充実する。
 アマゾンは、このAlexaとECHOの技術を小型ドローンに応用し発展させて、ドローンならではのセンサー技術を活用して、利便性を高めようとしている。
 将来的には、小型ドローンがあたかも意志を持っているかのように、「庭のバラは咲いているかな?」と問いかけるだけで、自動的に庭まで飛行し、バラの写真を撮影して戻ってくるだけではなく、スマホやタブレットの画面に、そのバラの写真を映し出すようになるだろう。

米国アマゾンのサイトで販売されている音声認識端末のECHO(エコー)。

この記事のライター

関連するキーワード


Amazon 音声認識 米国特許

関連する投稿


米Amazonが都市部でのドローン物流を想定した高層型ドローン物流センターの特許を公開

米Amazonが都市部でのドローン物流を想定した高層型ドローン物流センターの特許を公開

米国時間6月22日に公開された特許で、米Amazonが都市部でのドローン物流を想定した多層構造の高層型ドローン物流センターの構想が明らかになった。


米Amazon社、機械学習を活用したドローンのノイズキャンセル特許を出願

米Amazon社、機械学習を活用したドローンのノイズキャンセル特許を出願

米国特許商標庁は6月1日、米Amazonが提出したドローンのノイズキャンセルに関連する特許を掲載した。


米IBMがドローン関連の特許を取得

米IBMがドローン関連の特許を取得

米IBM社は飛行中のドローン間で荷物を転送する特許を取得したと4月28日発表した。(US Patent No. 9,561,852)


Amazonが北米でドローン配達「Prime Air」の公開実験に成功

Amazonが北米でドローン配達「Prime Air」の公開実験に成功

アマゾンが、北米における初のドローン配達「Prime Air」に成功した。


アマゾン今度は「パラシュート」投下によるドローン配達の特許を取得

アマゾン今度は「パラシュート」投下によるドローン配達の特許を取得

ドローンによる配達でいつも問題となるのが、荷物の引き渡し。ドローンを着陸させる方式や紐で荷物をぶら下げる方式など、さまざまなアイディアを各社が模索中です。そんな中、ドローン配達で先行するアマゾンは「パラシュートによるドローン配達システム」の特許を取得しました。


最新の投稿


【慶大ドローン】ドロゼミの学生が公式空撮 齋藤農水相、黒岩神奈川県知事ら列席の式典

【慶大ドローン】ドロゼミの学生が公式空撮 齋藤農水相、黒岩神奈川県知事ら列席の式典

 慶應義塾大学でドローンを研究する自主活動〝ドロゼミ〟は5月19日、今月開業する飲食施設の開業式典の空撮を行った。式典には学生3人が参集。齋藤農水省、黒岩神奈川県知事、星野衆院議員らが列席する式典をノーミスで乗り切り、列席者や参加者から問い合わせを受けるなど歓迎を受けた。


DJIの新社屋のデザインコンセプトが発表される

DJIの新社屋のデザインコンセプトが発表される

設計事務所のフォスター・アンド・パートナーズ(ロンドン)は、深センに建設中のDJIの新社屋のデザインコンセプトと動画を公開した。既存のオフィスにとらわれないドローンの発着基地のような空間も用意される計画。(田中亘)


Amazonプライムオリジナルシリーズ「You Are Wanted」でDJI機器を利用

Amazonプライムオリジナルシリーズ「You Are Wanted」でDJI機器を利用

2018年5月18日-民間用ドローンとカメラジンバルで有名なDJI(中国)は、Amazonプライムのオリジナルシリーズ「You Are Wanted」の第2シーズンをDJI Inspire 2とZenmuse X7カメラなどでサポートした。


「セキド虎ノ門」5月19日オープン 1階のDJI認定ストア虎ノ門はケージもあり体験型

「セキド虎ノ門」5月19日オープン 1階のDJI認定ストア虎ノ門はケージもあり体験型

DJI社 正規代理店である 株式会社セキド(東京都国立市)は、ドローン体験型総合施設「セキド虎ノ門」(東京都港区西新橋)のオープンを前に、記者内覧会を行った。都内でも最も開発の進むエリアの一つ虎ノ門に、セキドの新拠点誕生。1階はDJI認定ストア虎ノ門。


【慶大ドローン】単位がつかないのに学生が集まるドローンの〝ゼミ〟 好奇心旺盛な学生が絶賛、活動中!

【慶大ドローン】単位がつかないのに学生が集まるドローンの〝ゼミ〟 好奇心旺盛な学生が絶賛、活動中!

ドローンの研究、活用、実装に力を入れている慶應義塾大学で、単位にならないゼミがスタートし、活動が活発化している。指導しているのは慶大SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表。登録者は経験者、未経験者、高校生ら16人で、原則毎週1回、強い好奇心を持ち寄って教室を熱気で満たしている。