MAVIC 2体験会で新型ドローンの「買い」度を確かめる(3/3)

MAVIC 2体験会で新型ドローンの「買い」度を確かめる(3/3)

DJI JAPAN株式会社(東京都)の開催した新型ドローンMAVIC 2の体験会では、参加者に15分間だけ実機を飛ばせる時間が与えられた。限られた時間の中で、カメラの性能に焦点を当てて、その「買い」度を確かめてきた。(田中亘)


選んだ機種はMAVIC 2 Pro

 飛行の体験では、2つあるMAVIC 2のうち一機種だけを選択できる。15分という限られた時間の中では、2つの機種を比較する余裕はない。そこで、今回はカメラの性能に優れているMAVIC 2 Proを選んだ。機種を決めると、コントローラーにiPhoneが取り付けられて、飛行準備までのセットアップは、DJIのスタッフが行ってくれる。MAVIC 2シリーズ用のコントローラーは、初代モデルよりも改善されていて、MAVIC Airで改良された設計になっている。スティックの仕様が変わっているので、旧モデルよりも操作性が良い。また、コントローラーに取り付けられるスマートフォンは、iPhoneかAndroidかをケーブルの変更で選べるようになっている。ただ、DJIのスタッフのアドバイスによれば、iPhoneの方が取り付けには優れているという。確かに、スマートフォンを固定固定するアームの設計やスイッチ類の配置などを考えると、機種のバリエーションが多いAndroie系のスマートフォンは、うまく取り付けられないモデルがある可能性も高い。
 さて、実際にコントローラーを手にして操作しようとすると、最初に戸惑うのはスマートフォンの画面操作になる。MAVIC 2 Proの撮影モードや各種の設定は、かなり充実しているので、iPhoneの画面で目的のアイコンやメニューを探すのが初見では辛かった。おそらく、実際にMAVIC 2 Proで空撮を行うためには、事前にスマートフォンのアプリの操作や設定を十分にトレーニングしておく方がいい。特に、MAVIC 2 Proでは、静止画と動画で複数の解像度やコーデックに撮影モードが選べるようになっているので、飛行する前にどこをどのモードで撮るか段度っておいた方がよい。なぜなら、筆者の飛行体験では、MAVIC 2 Proの離陸後に各種のモードの説明と切り替え方法をレクチャーされたので、貴重な15分のうち2〜3分はロスしてしまった。例えば、新たに用意されたH.265コーデックを使えるように設定しておかなければ、動画での高画質撮影が行えない。片方だけを切り替えても、コーデックが異なっていると、希望通りの画質で撮影できないことがある。そうした組み合わせをドローンの飛行中に考えながら設定するのは、限られた時間では厳しい。ドローンを飛ばしたあとは、どのような絵を撮るかに集中したい。そのためには、やはり実機を所有してじっくりと使い込むべきなのだろう。

飛行の安定性はさらに向上している。体験会の当日はかなりの強風だったが、操作画面に警告は表示されたがカメラもぶれることなく撮影ができた。

カメラアングルは左ダイアルで、絞りかズームは右ダイアル

新しいコントローラーのスティック操作は以前よりも快適になっている

 DJIのコントローラーは、左右の人差し指が触れる部分にスライド式のダイアルがある。今回のMAVIC 2シリーズ用のコントローラーにも、左右にダイアルがある。左は、カメラの角度を変更するダイアルになる。右のダイアルは、MAVIC 2 Proではレンズの絞りを調節する。MAVIC 2 Zoomではズームの倍率を変更する。つまり、絞りを活かした静止画を優先して撮影したいときは、MAVIC 2 Proが適している。反対に、絞りよりもズームを活用したいのであれば、MAVIC 2 Zoomとなる。なので時間があれば、絞りを変えた静止画を何枚か撮影して比較したかったのだが、残念ながら余裕がなかった。さらに、公開されていない仕様だが、MAVIC 2ではカメラを左右にパンする機能もあるらしい。海外のサイトでは、スマートフォンの画面を指でスライドさせて、カメラを左右に動かす様子が紹介されていた。飛行体験の前に、この隠し仕様を知っていたら、試してみたかった。
 15分という限られた時間の中でテストできた撮影は、コーデックと撮影モードを変更して、同じ位置から360度のラウンド動画を撮ることだった。その結果を貼り付けておくが、これも残念なことにMAVIC 2 Proのフル性能を確認できないものとなっている。なぜなら、実際の撮影ではHEVC/H.265での記録が可能なのだが、そのデータをもらうことができず、DJIのスタッフが加工したあとのMPEG4動画を受け取ったからだ。その理由は、筆者が個人でMicroSDカードを持参しなかったため、データをもらえなかったから。加えて、HEVC/H.265のデータは限られた再生環境でしか視聴できないため、汎用性の高いMPEG4に変換された。前回も書いたように、高精細な動画や高解像度の圧縮データは、高性能な編集環境が必要になる。そのため、MAVIC 2 Proのフルスペックを十二分に引き出すためには、本体だけではなく周辺の編集環境も含めて、充実させる必要がある。

空撮から点検まで機動力のある撮影ならばMAVIC 2 Zoomがオススメ

MAVIC 2 Proによる空撮画像

 高性能なカメラで撮影した動画も、オリジナルのコーデックや解像度で再現できないと、正直なところ感動は薄れる。DJIから加工されて戻ってきた画像を見る限りは、1インチのCMOSセンサーでHNCS(Hasselblad Natural Color Solution)による高精細な配色を実感することはできなかった。そのため、今回の体験会だけで結論付けるならば、「買い」度の高いモデルはMAVIC 2 Zoomになる。実機を試してはいないが、やはりズームレンズがあると便利だと思う。また、試してはいないが、9枚の写真を撮影・合成する48MP超高解像度も、センサーの小ささを補える機能になる。さらに、点検や監視などで使うことを考えても、ズーム機能は役に立つ。海外のサイトでは、今回のMAVIC 2シリーズの発表を受けて、Phantomシリーズにも新しいモデルが出るのではないか、という噂が駆け巡っている。すでにPhantom 4 Pro 2.0では、1インチ 20MPのExmor R CMOSセンサーを搭載し、空撮用ドローンとしての性能を高めている。これ以上、カメラの性能を高めるとすれば、ズーム機能を搭載するか、HNCS(Hasselblad Natural Color Solution)を採用するかが考えられる。ただ、それだけでは4から次のステップにアップするモデルだとは考えられない。例えば、着陸用の脚が収納できるようになるとか、カメラのジンバルが360°の回転に対応するなど、撮影性能が大きく強化されれば、空撮のレベルが数段アップすると思われる。ただ、現時点で販売されているシリーズを検討する限りは、機動性と飛行性能にズーム機能を加味すると、MAVIC 2 Zoomが「買い」だと考えられる。

オリジナルの動画はH.265コーデックで処理されているが、共有のためにYouTubeにアップロードした段階でダウンコンバートされている。

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