旭川でスマート農業シンポジウムを開催(3)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(3)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。後半は、代表理事の春原久徳会長がモデレーターを務めたパネルディスカッションが行われた。


3種類のドローンを活用してコスト削減を実践する市川農場

 最初のパネリストは、農業生産法人市川農場の代表を務める市川範行氏が、スマート農業にドローンを活用するメリットや取り組みについて紹介した。市川氏によれば、ドローンを利用するメリットは、大きく4つになるという。

・防除作業コストの削減
・リモートセンシングによる肥料の削減
・空撮によるPR効果
・精密農業で付加価値のある販売

 市川氏は、3種類のドローンを活用して防除作業のコストを削減している。その中でも「DJIのAgras MG-1は、散布の性能がダントツに優れている」と評する。その理由は、10kgの散布剤を搭載して飛行しても、安定感があるからだという。また「木酢の散布は、ヘリだと高い位置からとなり効果が薄かったが、ドローンは低空で散布できるので効果がある」と指摘する。加えて、音が小さいので近隣の迷惑にならず、風に流されないので散布の効率も高い。さらに、天候を見計らって自分の希望するタイミングで散布できる点も大きなメリットだという。「産業用のヘリを依頼すると、年間50ヘクタールで約160万円の料金がかかります。それに対して、ドローンは200万円前後で購入できるので、2年で元がとれます」と市川氏は提案する。

市川農場の市川範行氏

肥料の散布コストの低減につながるリモートセンシング

 ドローンを活用したスマート農業のメリットについて、市川氏はリモートセンシングの重要性についても触れる。「無農薬の圃場は、肥料の足りないところがリモートセンシングで分かりやすいので、ドローンを活用するメリットがあります。必要な部分の散布で、肥料のコストを抑えられます」と市川氏は話す。また肥料に関しても「ドローンに特化した肥料」が必要だという。その理由は、散布する肥料が濃すぎると稲穂が倒れてしまうから。そうした肥料への要望に加えて、飛行ルールの改正が進み、ドローンの自動飛行や散布できる農薬や肥料の種類が増えることにも、市川氏は期待している。
 2018年も市川氏はドローンジャパンと協力して、スマート農業に向けた「自動化の実験を目指して頑張りたい」と抱負を語った。

この記事のライター

関連する投稿


CEATEC JAPAN 2018  共創する未来への貢献を目指す産業用ドローンの数々

CEATEC JAPAN 2018 共創する未来への貢献を目指す産業用ドローンの数々

2018年10月16日(火)から4日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で「CEATEC JAPAN 2018」が開催された。4日間の登録来場者総数は156,063人におよび、日本の成長戦略や未来を世界に向けて発信するSociety 5.0の展示会には、ドローン関連テクノロジーも登場した。


新潟市が「スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」を開始

新潟市が「スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」を開始

新潟市と井関農機株式会社、株式会社ヰセキ信越、株式会社スカイマティクス、国際航業株式会社、ウォーターセル株式会社はスマート農機(ICT田植機、ICTコンバイン)やリモートセンシング(ドローン、人工衛星)で得られた情報を、営農支援システム「アグリノート」に集約し一元管理する実証実験を開始すると発表した。(田中亘)


第2回AI・人工知能EXPOでOPTiMがドローンを活用したスマート農業ソリューションを展示

第2回AI・人工知能EXPOでOPTiMがドローンを活用したスマート農業ソリューションを展示

第2回AI・人工知能EXPO(東京・ビッグサイト)で、株式会社OPTiM(東京都港区)がドローンを活用したスマート農業ソリューションを展示し、来場者の関心を集めた。


【ジャパンドローン2018】ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは

【ジャパンドローン2018】ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは

一般社団法人セキュアドローン協議会は、ジャパンドローン2018のオープンステージで、会長の春原久徳氏が「ドローンの業務利用におけるセキュリティ対策とは」と題する講演を行った。


旭川でスマート農業シンポジウムを開催(4)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(4)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。後半のパネルディスカッションには、上川農業改良普及センターの近藤睦氏が、データの利活用の可能性について触れた。


最新の投稿


高度2万メートルから地球を観測するASTIGAN A3ドローン

高度2万メートルから地球を観測するASTIGAN A3ドローン

英国のAstigan社(航空宇宙分野のイノベーターチームと英国のOrdnance Survey)の合弁事業によって設計および製造されたASTIGAN A3は、高度2万メートル上空から地球を観測する。


【慶大×田村市】高校生が農薬散布機運用へ一歩 2人が訓練、4人がすでにライセンス取得

【慶大×田村市】高校生が農薬散布機運用へ一歩 2人が訓練、4人がすでにライセンス取得

 慶應義塾大学と包括連携協定を締結し、ドローンによる地域活性化に積極的な福島県田村市で、地元の福島県立船引高校の生徒2人が2月13日に、市内で農薬散布機の訓練に取り組んだ。船引高校ではこの2人を含め、すでに4人がライセンスを取得おり、今後もドローンを使って地元への貢献に意欲をみせている。


Saashaのメッセージビデオにドローン ササモモさんに贈る曲演奏中に自撮り 

Saashaのメッセージビデオにドローン ササモモさんに贈る曲演奏中に自撮り 

 ドローンのイベントなどでしばしば起用されるシンガーソングライターのSaashaが、女性ドローン操縦士、ササモモ(佐々木桃子)さんの登壇するトークイベントにサプライズでビデオメッセージを寄せた。その中にドローンが登場するシーンがあり、会場が涌いた。


ササモモさん新チーム名は“L’oiseau bleu(ロワゾ・ブルー)”! 女性活躍の場の創出、拡大目指す

ササモモさん新チーム名は“L’oiseau bleu(ロワゾ・ブルー)”! 女性活躍の場の創出、拡大目指す

 ドローンの操縦士、インストラクター、MCなどとして広く活躍しているササモモ(佐々木桃子)さんは2月14日、新たに発足させたチームの名前を「L’oiseau bleu(ロワゾ・ブルー)」と発表しました。ドローン産業に新たな彩が誕生しました♪


ドローンレース毎日開催「スカイファイト」東京お台場 2月16日(土)オープン

ドローンレース毎日開催「スカイファイト」東京お台場 2月16日(土)オープン

ドローン関連コンテンツの企画、開発、運営を行う株式会社ドローンネット(東京都千代田区)は、東京ベイエリアでオンライン対戦型ドローンレースが開催されるエンタメスポット 「スカイファイト」東京お台場を2月16日(土) にオープン。2月16日、17日に、アクアシティお台場3階アクアアリーナにてオープニングイベント開催。