「航空写真測量のプロセスを自動化」国際航業がPix4D社との協業で目指すもの

「航空写真測量のプロセスを自動化」国際航業がPix4D社との協業で目指すもの

国際航業株式会社は、世界的な3次元空間解析ソフトウェアを開発するPix4D S.A. と11月にi-Constructionおよび公共測量分野での共同事業をすすめるため基本合意書を締結した。今後は両社で3次元モデルを生成する上での課題を解決し、完全自動化に向けた共同開発を行う。


 国際航業株式会社(東京都千代田区)は2017年創業70年を迎え、世界的な3次元空間解析ソフトウェアを開発するPix4D S.A. (スイス、Christoph Strecha CEO)と、日本におけるi-Constructionおよび公共測量分野での共同事業をスタートするため、基本合意書を11月11日に締結した。その後行われた顧客などが出席したプライベートセミナーでは、国際航業の渡邉和伸・専務取締役事業開発本部長が、締結骨子や今後の方向性について説明を行った。

 今回の共同事業では、国際航業が2016年8月に3次元モデルの生成をサポートするクラウド 「KKC-3D」のサービスを開始したが、これは同社の創業以来70年培ってきた航空測量に関する技術をベースとして、Pix4Dの協力を得ながら立ち上げたサービスで、これまでに多くの顧客から好評を得ているものだ。KKC-3Dにはベーシック、アドバンス、エキスパートの3つのプランがあり、特にi-Construction仕様となっているエキスパートでは、一部で人を介する必要があるため、アウトプットに時間の制約があるというデメリットがあった。こうしたプロセス上の課題を解決するためPix4D社と協議を進め、事業を強化することで合意に至った。

3次元地形モデルのプロセスで、受け取り時間の時間の制約の無い完全自動のサービス

 合意内容について渡邉本部長は2つの骨子をあげた。
 1つ目は、公共測量とi-Constructionに関して、これまで人の手を介して行ってきた部分を全自動化するようPix4D社と共同開発を行う。新たな機能をKKC3Dに実装し、2018年の早い時期に発表したいとしている。
 2つ目の骨子は、デスクトップ版のPix4D Mapperの販売を国際航業が始める。これまではクラウドでのサービスの提供だったが、ユーザーからはデスクトップ版の要望が強かったからだ。(このサービスはすでに開始されている。)

 国際航業では今回の共同事業によって、顧客に対し4つのメリットが生まれるとしている。
 1つ目は、i-Constructionと公共測量における3次元地形モデルのプロセスの飛躍的な向上。受け取り時間の時間の制約の無い完全自動のサービスによって、24時間365日いつでも3次元モデルの生成と受け取りが可能となるからだ。
 2つ目は、国内の仕様に完全に準拠した機能となること。国土地理院が定める公共測量マニュアルに準拠した精度管理表の自動生成をする。アウトプットとして得られる精度管理表を直接顧客に提出することが可能になる。
 3つ目は、利活用事例の共有ということ。同社では早くからPix4Dに着目して利用を進めてきたが、今回の共同事業で同社内の数百名の技術者が新たなPix4Dのユ−ザーとなることだ。おそらく世界最大のユーザー集団になるわけで、これにより同社内でPix4Dの様々な使い方が生まれ、その成果をユーザーに還元、共有することで顧客の業務に役立ててもらうというもの。
 4つ目が国際航業独自のサポート。先行して取り扱っている販売代理店との大きな差は同社はPix4Dのサービスを熟知しているということ。熟知しているユーザーだからこそのサービス、コンサルティング、これをユーザーに提供して行けるとしている。

i-Construction領域以外の文化においても3次元モデルの利活用

 今後の方向性について渡邉本部長は「国内の3次元モデルの利活用は始まったばかりで、i-Constructionの適用分野は拡大し、3次元モデルの利活用は増えると思います。この先のi-Construction領域以外の文化においても3次元モデルの利活用をすすめていくことになると思います」と述べた。
 航空測量は同社の専売特許だったが、ドローンが普及したことによって、その障壁が一気に下がり誰でも空から写真が撮れるようになった。そしてPix4DのようなSfMソフトの進歩によってコンバットカメラやスマホから簡単に高精度の3Dモデル用のデータが撮れるようになったことで、写真測量の技術を他に使えないかと考える人が増えているということだ。
 「これまで写真測量を外部に委託してきた建設コンサルタントや地質調査、環境調査などの建設関連業者はもちんのこと、全く写真測量に無縁であった業界にも、3次元モデルを利用する技術が普及して行くのはそう遠くない」と、KKC3Dを新しいユーザーにむけたプラットフォームとして提供を考えているという。同社が目指すのは、様々な産業で、より多くの3次元モデルの利活用を進めることだという。
 最後に同本部長は「航空写真測量のプロセスを自動化、そのプロセスに革命を起こしたい」と締めくくった。

この記事のライター

関連するキーワード


国際航業 Pix4D KKC3D

関連する投稿


SkyLink JapanとPix4D共催 ドローンを活用した測量分析ワークショップを京都で開催!

SkyLink JapanとPix4D共催 ドローンを活用した測量分析ワークショップを京都で開催!

ドローンの販売や産業向けソリューションを展開する、SkyLink Japan(株式会社WorldLink & Company :京都市北区)は、航空写真測量ソフトウェアの開発を手がけるPix4D社(スイス)と共催し、ドローンを活用した測量分析ツールの公式セミナー、およびフィールドワークショップを京都で開催する。


エアロネクストの新型ドローン「Next」シリーズ、新しい橋梁点検手法による実証実験を実施

エアロネクストの新型ドローン「Next」シリーズ、新しい橋梁点検手法による実証実験を実施

国際航業株式会社(東京都千代田区)と、 株式会社エアロネクスト (東京都渋谷区)は、 エアロネクストの新型ドローン「Next INDUSTRY(TM)」を活用した次世代の橋梁点検手法の実証実験を実施した。


新潟市が「スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」を開始

新潟市が「スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」を開始

新潟市と井関農機株式会社、株式会社ヰセキ信越、株式会社スカイマティクス、国際航業株式会社、ウォーターセル株式会社はスマート農機(ICT田植機、ICTコンバイン)やリモートセンシング(ドローン、人工衛星)で得られた情報を、営農支援システム「アグリノート」に集約し一元管理する実証実験を開始すると発表した。(田中亘)


産業用ドローンの新たなビジネス市場を開拓する構造物の点検ソリューション

産業用ドローンの新たなビジネス市場を開拓する構造物の点検ソリューション

株式会社日立システムズ(代表取締役社長:北野昌宏、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)の開発した「3次元管理台帳サービス(仮称)」は、日立建設設計などのグループ企業と協力して開発した構造物の点検ソリューション。産業用ドローンの新たなビジネス市場の拡大に貢献する取り組みとして注目されている。


「ドローン運用統合管理サービス」を強化する日立システムズ

「ドローン運用統合管理サービス」を強化する日立システムズ

株式会社日立システムズ(代表取締役 取締役社長:北野 昌宏、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)は、構造物写真からの3次元モデル自動生成など、「ドローン運用統合管理サービス」による画像データの加工や診断機能を強化する。


最新の投稿


ドローンネットの「ワールドスキャン・プロジェクト」が始動、エジプトのピラミッドをドローンで3Dスキャン

ドローンネットの「ワールドスキャン・プロジェクト」が始動、エジプトのピラミッドをドローンで3Dスキャン

ドローンネット(東京都千代田区)は、 ドローンを使って世界各地の遺跡や自然環境を3Dスキャンし、 そのデータを未来に向けて価値保存していくプロジェクト『ワールドスキャン・プロジェクト』を立ち上げ、10月9日~22日、エジプト全域にてドローン撮影と3Dスキャンを行う。


【CEATEC JAPAN 2018】共創する未来への貢献を目指す産業用ドローンの数々

【CEATEC JAPAN 2018】共創する未来への貢献を目指す産業用ドローンの数々

2018年10月16日(火)から4日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で「CEATEC JAPAN 2018」が開催された。4日間の登録来場者総数は156,063人におよび、日本の成長戦略や未来を世界に向けて発信するSociety 5.0の展示会には、ドローン関連テクノロジーも登場した。


ALS患者が初秋の鎌倉を散策 シアンの空力車でドローン空撮による〝空の観光〟も体験

ALS患者が初秋の鎌倉を散策 シアンの空力車でドローン空撮による〝空の観光〟も体験

難病のひとつALS(筋萎縮性側索硬化症)など神経難病患者7人が初秋の古都鎌倉を訪れ、長谷寺や大仏、夕日に染まる由比ガ浜などの観光スポットだけでなく、上空に飛ばしたドローンから送られる映像をヘッドマウントセットを通して“空中散策”も楽しんだ。


関西テレビがエアロジーラボ株式会社による第三者割当増資を引受け

関西テレビがエアロジーラボ株式会社による第三者割当増資を引受け

関西テレビ放送株式会社(大阪市北区、代表取締役社長:福井澄郎)は、 9 月 28 日、エアロジーラボ株式会社(大阪府箕面市、代表取締役社長:谷紳一/AGL)が 実施した、第三者割当増資の株式総数を引き受けたと発表した。


SkyLink Japan・3次元データ生成向け高性能グラフィックボード搭載の薄型・軽量ノートパソコン販売

SkyLink Japan・3次元データ生成向け高性能グラフィックボード搭載の薄型・軽量ノートパソコン販売

SkyLink Japan(株式会社WorldLink & Company 京都市北区)は、 ドローン(UAV)& 3Dスキャナーなどの3次元データ生成向けノートパソコンとして、薄型・軽量 ノートパソコン、 エムエスアイ「GS65 Stealth Thin」を11月9日から販売する。