ドローン10大ニュース・上・ 第6位〜第10位

ドローン10大ニュース・上・ 第6位〜第10位

ドローンタイムズが勝手に選んだ2017年を振り返る恒例の「ドローン10大ニュース」を2回にわたって紹介します。


ドローン活用、助走の1年

 「ドローン活用元年」といわれ幕開けした2017年のドローンを取り巻く状況はどうだったのだろう。国土交通省が推し進めるi-Constructionでは、3D測量が一般化し、様々なアプリが複数提供されこの分野でのドローン活用が浸透していると実感された。農業分野では農薬散布ドローンの現場導入が顕著で、海外製の散布機の進出も目立った。作物の生育状態をデータ化して追肥や農薬を撒くタイミングや収穫時期の目安を判断するリモートセンシングによる精密農業も、年間のセンシング面積を飛躍的に拡大し日本各地に広がりをみせた。
 一方安倍首相が2015年の官民対話の中で話した「3年後にはにはドローンによる荷物配送を可能にする」という指示に対し、ドローンポート開発、自動飛行の実証実験が官民で繰り返された。今後、離島間や過疎地で実際にドローン物流が開始される予定だが、先日一般社団法人無人航空機産業振興協議会(JUIDA)が民間として初めてドローン物流のガイドラインを示した。
 このような産業界の動きと足並みを揃えるように、ドローン操縦スクールが急増したのもこの1年の傾向といえる。ドローン操縦技能講習で国交省航空局が要件を満たしたとする「講習団体」は、この12月で130にのぼり、半年間で3倍に伸びた。中でも単純な操縦講習から、産業用ドローンにマッチした講習会が増加し、実験飛行場の整備も各地で進められた。
 こうして今年を振り返ってみると、ドローン活用の裾野が確実に広がった1年だったのは間違いなさそうだ。しかしながら、制度、通信、機体性能などまだまだ課題は多いのも事実。個人投資家によるファンドが立ち上がったが、全体的にはドローン事業が足踏みしているのが現状だろう。2018年は様々な分野でドローン活用が常態化するためにも、積み残した多くの課題を乗り越えなければならないだろう。(編集長 渡辺照明)

◎第6位 UTMの取り組み、官民で活発化

 ドローンの運航管理システムであるUTM(ユー・ティー・エム、IT用語の「複数統合型脅威管理」とは別)に取り組みが2017年は官民で活発化した。3月には前年7月に設立した「一般社団法人総合研究奨励会・日本無人機運航管理コンソーシアム(JUTM)」が、福島県南相馬市で複数機を同時に飛ばして管理上の課題を洗い出すデモンストレーションを実施した。米国で実績を持つAirMap社も樂天と提携、12月にはサービスの提供を始めた。プロドローンも韓国の通信会社LG Uplusや、テラドローンと組んで、韓国でクラウド型UTMに対応したFOS(Flight Operatin System)提供を事業化した。低空域利用の現実味が高まるにつれ、今後も取り組みは活発化しそうだ。(副編集長 村山繁)

災害対応を想定した共有空域に、損害保険ジャパン日本興亜の災害調査をするマトリス600(右下)と災害物資輸送のヤマハの無人ヘリ(左下)が飛行した=3月16日、福島県南相馬市

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国内初! 複数のドローンを同時に運行管理 JUTMが南相馬市でデモンストレーション
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NTTデータ、ドローン運航管理用ソフトウエアパッケージ「airpalette® UTM」の提供開始
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楽天AirMapが無人航空機管制(UTM)システム「AirMap」の提供を開始
     https://dronetimes.jp/articles/2312

◎第7位 DJIが手のひらサイズながらも高性能ドローン「SPARK」発表

 DJIについては新製品にたいするユーザーの期待感が常に大きい。産業系のドローンが伸張する中、DJIはコンシューマー向けのドローンを5月発表した。当初200グラムを切るレース用のドローンを発表するのではという“噂”もあったが、発表された「SPARK」は手のひらサイズの高性能なDJI史上最小のドローンだった。各種センサーを搭載したため300グラムとなったようだが、画像認識のジェスチャーコントロールなど斬新な機能で安全で簡単な操作性を実現した。5色の機体もDJI初で、女性の注目度も大きかった。(渡辺照明)

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DJIが手のひらサイズのドローン「SPARK」を発表
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DJI が300グラムの小型カメラドローン SPARKを発表
     https://dronetimes.jp/articles/1456

SPARKはコントローラーやスマホアプリを使用しないでジェスチャーだけで操縦できる=5月26日、東京・港区のDJI JAPAN本社

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