オフィス内ドローン「T-FREND」来年4月サービス開始を発表 大成、ブルーイノベーション、NTT東日本

オフィス内ドローン「T-FREND」来年4月サービス開始を発表 大成、ブルーイノベーション、NTT東日本

 ビル管理の大成株式会社、ドローン技術開発のブルーイノベーション株式会社、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)千葉事業部は、12月7日、GPS信号が届かないオフィス内を自動で巡回する屋内ドローンで社員の健康管理やセキュリティー強化に活用するサービス「T-FREND」を4月に導入すると発表し、デモフライトを披露した。


非GPS環境下で自律飛行し 社員の残業確認、セキュリティーを強化

 3社が発表した「T-FREND」は、予め設定したルートを、設定した時刻にドローンが飛び、搭載したカメラでとらえた映像と画像をクラウド上で録画するとともに、ほぼリアルタイムで伝送する。オフィス内を定時パトロールすることで、オフィス内で残業をしている社員がいないかどうか、不審者がいないかどうかを確認でき、社員の健康増進、オフィスのセキュリティー強化を支援する。
オフィス内ではGPS信号が届きにくく、ドローンの自動航行には別の高い技術が必要とされているが、T-FRENDではあらかじめ設置した電波発生装置を目印にドローンが自分の位置を推定することで、GPSに頼らずに自動で発着場(ポート)から飛び立ち、決められたルートを航行し、ポートに戻り着陸する。飛行ルートは、ブルーイノベーションが開発した飛行計画システムで管理でき運用者はアプリケーションを操作して、画面上で機体の選択、飛行経路の作成、飛行時刻の設定ができる。オフィスのレイアウトが変わっても、改めて設定をし直すだけで対応が可能だ。
ドローンで撮影した動画などはNTT東日本が展開する「ギガらくWi―Fi」「フレッツVPNプライオ」「クラウドゲートウェイ クロスコネクト」を組み合わせたインターネット回線を使わない閉域ダイレクト接続でクラウドサーバと安定的に接続する

会見する(左から)ブルーイノベーションの熊田貴之社長、大成の加藤憲博専務、NTT東日本千葉事業所の大村健太郎コラボレーション部長、

レンタルで提供 料金は警備員賃料見合いで

 3社は4月に試行サービスの提供を開始し、その後、本格サービスに移行する。サービスは年間契約で機体を含めてレンタルする。価格は、納入先の事情なども考慮して決めるが、「深夜勤務の警備員を雇う金額の1か月分よりも低価格を目標としたい」(加藤憲博大成専務)ことから、おおむね「1か月あたり50万円がターゲットゾーン」(加藤氏)という。
 使用するドローンはカメラを含め1・3キログラムで、1回の充電で15分のフライトが可能。自動で離陸し、飛行後に自動で着陸するが、現時点ではバッテリーの交換などは手作業だ。これについてブルーイノベーションの熊田専務は「次の段階として自動充電も目指す」と話しており、10月の本格稼働時の自動充電化がひとつの目標だ。

T-FRENDで使用するオリジナルの機体。重さは1・3キロ。3月に発表した構想のデザインを踏襲した

『蛍の光』の旋律を流しながら自動で離陸、巡回、着陸

 デモフライトでは、机がロの字に配置されたオフィスを模した空間を準備。設定した時間の10秒前になると、部屋の片隅に置かれたドローンが唱歌『蛍の光』のメロディーを流し、10秒後に離陸、床から1・5メートルの高さを、決められたルート通りに、ロの字の机のまわりを1秒あたり30センチの速度で、蛍の光を流しながら巡回し、ポートに着陸した。
 デモではブルーイノベーションの熊田雅之専務が設定する場面も披露。パネルをタッチすることで、ルートを任意に設定する様子を示した。機密情報や個人情報など情報管理の面で、ルートに含むことのできない「ノーフライゾーン」がエリアが赤く表示されえいることも確認できた。
大成の加藤憲博専務は「このサービスはドローンと働き方改革を融合させたサービスで、ブルーイノベーションの技術があってここまでたどりついた。ビルメンテナンス分野では警備員が人で不足で、人材確保が難しい状況もありこのサービスをビジネスに結び付けたい」と話した。
ブルーイノベーションの熊田貴之社長は「非GPS環境下の屋内でドローンを自動航行させるサービスを提供できることは大きなブレークスルーだと思っている。これからも改善を積み重ね、利用者に喜ばれるサービスにしたい」と述べた。
 NTT東日本電千葉事業部の大村健太郎コラボレーション推進部長は「通信サービスと一体となったワンストップサービスを提供することで、重要や役割を果たすことができると思っている」と話した。

デモフライトでは机を配置したオフィスに見立てた空間を、設定された時間に自動で離陸し、巡回し、出発点に着陸する様子を披露した

赤く表示されているところはルートの設定ができないことを確認

説明会終了後も報道陣からの質問が殺到。注目されていることがわかる

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