【ドローン × 地理学】早稲田大学「地理学研究会」が挑んだドローンで探求する地理学(3)

【ドローン × 地理学】早稲田大学「地理学研究会」が挑んだドローンで探求する地理学(3)

「ちりけん」こと、早稲田大学「地理学研究会」。ドローンを活用した地理学を11月4日と5日に開催される学園祭で発表するために、ドローンの「ド」から学び体験してきた。そして、いよいよ巡検に臨む。


ドローンへの理解が深い東京都あきる野市への相談

 本連載の1回目でも触れているように、現在の日本でドローンの入門者が、空撮用の本格的な機種を自由に飛ばすことは不可能に近い。2015年12月から施行された改正航空法により、200g以上のドローンを飛ばすためには、国土交通省に必要な申請を行い、その許諾が得られた上で、飛行したい土地の地権者や管理団体などの許可が必要になる。「ちりけん」が本企画の当初に予定していた神奈川県の洒水の滝に、千葉県岩井の海岸線、そして奥多摩の小河内ダムは、いずれも非DID(人口密集地域)なので、国土交通省への飛行申請は不要だった。だが、各地の施設や地域を管理する団体に問い合わせてもらったところ、ドローンのパイロット免許を取得していない者の飛行は「禁止」と返答された。
 そこで編集部から提案したのが、東京都あきる野市での巡検とドローン空撮だった。あきる野市は「ドローン特区」に認定されていて、救援物資の搬送や災害時の安否確認などの実証実験を行っている。また「あきる野ドローン協会」では、ドローンをあきる野市の産業や観光振興に活用しようと取り組んでいる。これだけドローンに積極的で、東京都でありながら非DIDの面積が広いあきる野市であれば、学生たちの想いを受け止めてくれると考えた。そこで、「ちりけん」にはあきる野市の地理学的な魅力を探ってもらい、巡検先の候補を作成してもらった。

「ちりけん」で作成した「あきる野市の巡検」の候補地

候補地は大塚古墳と六枚屏風に大岳採石場

 お茶の水女子大学で地理学を専攻する吉田瑠夏さんが中心となって、あきる野市における魅力的な土地を選んでもらった結果が、大塚古墳と六枚屏風に大岳採石場の三か所。その理由について吉田さんは「あきる野の地形的特徴である河岸段丘が、縄文時代から生活の一部として活用されてきた歴史について、地理的視点から観察したい」という巡検の主旨をまとめている。そこで、この「ちりけん」の想いを叶えるために、編集部からあきる野市のドローン担当窓口に飛行の可否について問い合わせてみた。しかし、あきる野市から得られた回答は、以下のような残念な結果となった。

【あきる野市からの回答】
===============================
市が所有する施設でドローン飛行を可としているのは
「戸倉しろやまテラス」のみであり、協力関係を結ぶ
DJI JAPAN(株)及び(株)スカイシーカーに
限定して、使用を許可しています。

また、市職員についてもパイロットチームに所属し、
飛行訓練、座学研修等受け、一定のスキルを有する者に
限定し、業務の中での使用を認めています。

市が所有する施設(または土地)以外でのドローン飛行
を許可する権限はないことから、一般の方のドローン飛行
の取扱いにつきましては、本市においても、他自治体と
ほぼ同様です。
===============================

 つまり、非DID地域の広いか狭いかに関わらず、ドローンの飛行においては、日本全国どこにおいても、基本的なルールを厳守することで安全が確保されている。数回の飛行経験だけでは、容易に飛ばせない。そこで、最後に残された可能性が、この規制の対象から外れる200g未満のドローンによる空撮だった。国土交通省が規制の対象としている無人航空機は「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」ドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプターなど。200g未満のドローンは、いわゆるトイドローンやミニドローンと呼ばれる娯楽用の機種で、一般的にはカメラの性能は低く、飛行時間も短い。それでも、この課題をクリアできるミニドローンがあれば、空撮の可能性は開ける。(つづく)

巡検の候補地はsorapassの地図で調べても非DID地域だが飛行への壁は高い

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