【ドローン × 地理学】早稲田大学「地理学研究会」が挑んだドローンで探求する地理学(1)

【ドローン × 地理学】早稲田大学「地理学研究会」が挑んだドローンで探求する地理学(1)

早稲田大学「地理学研究会」、通称「ちりけん」は、1950年に創立された大学公認のサークル。現在の部員数は約70名。「地理を楽しみ、地理で楽しむ」を基本方針に、高低差や暗渠を愛する人たちが集う。そんな「ちりけん」がドローンの空撮に挑んだ。


ドローン経験ゼロの学生が挑む空撮

ドローン空撮相談のためDroneTimesを訪問した早稲田大学「地理学研究会(ちりけん)」の坂口大勢さん(左)とお茶の水女子大学から早稲田大学の「地理学研究会」に所属する吉田瑠夏さん=東京・大手町

 きっかけは、ドローンタイムズが毎月開催しているドローントークPIT。この会に参加した早稲田大学「地理学研究会」に所属する、お茶の水女子大学の吉田瑠夏さんが、「ドローンの視点で土地を探索してみたい」という希望を口にしたこと。その純粋な願い叶えるために、ドローンタイムズが「ちりけん」の空撮をサポートする企画をスタートさせた。ドローンを飛ばした経験がゼロで、早稲田大学の「学園祭に来てもらった方々に、歩いた経験とは違う、空からの感動を見ていただきたい」という思いを実現できるのか。11月4日と5日に開催される学園祭に向けて、「ちりけん」が展示物としてドローンの空撮映像を紹介できるのかどうか、トークPITでの立ち話が終わった直後から、関係各所への連絡や相談が始まった。

ドローンの機材貸出と空撮地域の選定

 ドローンで「ちりけん」が尋ねた土地を空撮するためには、二つの課題をクリアしなければならない。一つは、ドローンそのものを調達すること。しかし、ドローン飛行経験がゼロの未経験者が、いきなり十万円前後の機体を購入するのはハードルが高い。そこで、DJI Japanに相談して、「ちりけん」の空撮目的に合うドローンの貸出を検討してもらうことにした。もう一つの課題は、ドローンの空撮エリア。ドローンタイムズの読者には釈迦に説法だが、学生たちは国土交通省の改正航空法による無人航空機の飛行ルールを知らない。そこで、国土交通省のホームページを見てもらい、基本的なルールであるDID(人口集中地区)での飛行が困難なことや、非DIDであっても土地の所有者や管理者の許可が必要になる点などを理解しもらった。その上で、撮影の候補地の選定を開始した。

やはりドローン初心者にはハードルが高い国土交通省の法規制

当初の予定地は滝や海岸線にダム

当初に計画していた候補地は許可のハードルが高く断念

 「ちりけん」がドローンによる空撮を実施したいと考えた予定地は、非DIDとなる神奈川県の洒水の滝に、千葉県岩井の海岸線、そして奥多摩の小河内ダムだった。「ちりけん」では、巡検という地質学や地理学研究の実地調査を行っている。滝と海岸線とダムは、過去に巡検を行った土地で、そのフィールドワークの実績にドローンの空撮を加えて、学園祭で発表しようと計画していた。しかし、これらの地域は非DIDではあっても、公園や施設を管理する団体や自治体がある。そこで、「ちりけん」から各管理組織に連絡をとって、ドローンの飛行に関する許可を確認してもらった。結果として、神奈川県の洒水の滝や千葉県の海岸線は「役場への事前連絡が必要」になり、ドローンを飛ばして空撮を行うためには、「JUIDAなどが認可しているパイロットの免許がないとダメで、そのコピーを申請書に添付することが条件」となっていた。また奥多摩のダムは貯水池であることから、基本的にドローンの飛行は禁止されている。「ちりけん」の部員の中に、ドローンのパイロット免許を取得している学生がいれば、まったく問題のない取り組みなのだが、未経験者が「撮りたい」という思いだけで空撮に挑むのは、今の日本でいかにハードルが高いのかが実感できるエピソードとなった。

DJIと提携しているあきる野市に相談を持ちかけDJIの体験会にも参加

 当初に予定していた「巡検したことのある土地」のドローン空撮が難しいとわかり、ドローンタイムズとしては改めて早稲田大学2回生の坂口大勢さんも交えて、作戦会議を開いた。そこで出た候補地が、DJI Japanと協力関係を結んでいる東京都あきる野市。同市は「戸倉しろやまテラス」でのドローン飛行を許可し、昨年は防災訓練でDJIのドローンによる自律飛行の実験にも協力している。こうした背景から、あきる野市に「ちりけん」として巡検できる場所があるかどうかをリサーチしてもらうと同時に、吉田さんや坂口さんが実際にドローンを飛ばせるようになるためのトレーニングの機会をDJI Japanに相談した。あきる野市には、空撮可能な地域の候補を問い合わせることにして、吉田さんと坂口さんにはDJI Japanと日本サーキットが23区内に開設した「DJI ARENA BY JDRONE TOKYO」のオープンイベントに参加してもらうことになった。その様子と経過は、次回にレポートする。(つづく)

「DJI ARENA BY JDRONE TOKYO」のオープンイベントに参加を計画

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