【ドローン × ICT】 「第一回 北海道ドローン選手権」が開催される(3)

【ドローン × ICT】 「第一回 北海道ドローン選手権」が開催される(3)

制限時間10分で、15個の段ボール箱の中に隠されたサッカーボールをドローンとICTを駆使してどれだけ正確に発見できるか。「第一回 北海道ドローン選手権」の優勝チームは、ICTに適したドローンの性能を顕著に示す結果となった。


1位と2位は同得点、リアルタイム処理に対応したドローンの勝利

優勝した北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室

 「第一回 北海道ドローン選手権」の結果は、以下のようになった。

優勝 : 北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室
準優勝 : 旭川工業高等専門学校
3位 : 北海道大学大学院情報科学研究科 自律系工学研究室
特別賞 : 函館工業高等専門学校、北海道情報大学、北見工業大学

 この順位には、二つの興味深い採点結果がある。実は、1位と2位の得点数は同点。両チームとも、実質的に満点を取得している。ドローンの離着陸やボールの検出に用いた計数処理システムに提出結果や飛行時間など、すべて10点を取得している。そして、もうひとつ両チームに共通しているのは、利用したドローンがParrot BEBOP 2という点。両チームともにParrot BEBOP 2からリアルタイムで画像データを取得し、ダイレクトにPCで画像解析を行い、飛行中に解答用紙にサッカーボールの位置と個数を記入していた。リアルタイム処理では、Parrot AR.DRONE 2.0に360°カメラを取り付けた函館工業高等専門学校も、飛行と同時に計数処理を行っていたが、その処理方法の評価点が低かったために、入賞には至らなかった。カメラのアプリではなく、Parrot BEBOP 2の標準的な画像転送システムを応用した2チームが、計数処理で勝っていた。

多くのチームがドローンの専用コントローラーを使い、立って操作していたのに対して、優勝した北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室だけは、PCにつなげたコントローラーを座ったままで操っていた。

2チームの時間差はカメラの角度と操縦方法のカスタマイズ

優勝したParrot BEBOP 2の勝因は柔軟なカスタマイズ性

 採点結果で同点だった2チームで、北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室が優勝した理由は、飛行時間の短さだった。優勝した北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室は、旭川工業高等専門学校よりも1分以上も早くドローンの飛行を完了し、解答用紙を提出している。同じParrot BEBOP 2というドローンを利用し、リアルタイムでの画像解析を行った2チームが、飛行時間で差がついた理由は、操縦方法のカスタマイズにあった。優勝した北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室にインタビューしたところ、当初は完全な自律飛行を目指して、PCからParrot BEBOP 2をコントロールするソフトウェアを開発していたという。実際の飛行はコントローラーによる手動操縦となったが、Parrot BEBOP 2の制御をカスタマイズしたことにより、カメラの角度を最大で83°まで傾け、より的確に段ボール箱の画像を撮影できるようにしたり、操縦性なども改良していた。その結果、標準の操作方法を利用した旭川工業高等専門学校よりも短時間で飛行できた。

ドローン × ICT 発展のカギはプログラマブルなドローンの利活用

優勝者に表彰状を手渡す旭川ICT協議会の小川博会長

 リアルタイムで画像データを処理できる接続性や、カメラ操作と操縦方法などを柔軟にカスタマイズできるオープン性といったドローンの性能が、今回の「第一回 北海道ドローン選手権」では、明確に結果として現れた。ICTを駆使した産業用ドローンの利活用や発展にとっても、必要とするセンシングデータを柔軟かつ自由にオープンに取得できるかどうかは、重要なポイントになる。表彰式の会場で、旭川ICT協議会の小川博会長は「来年はGPSの取得できる屋外で第二回を開催する予定」だと話す。また優勝した北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室は「今回のノウハウを後輩に引き継ぎ、来年も優勝を目指します」と抱負を語った。(おわり)

この記事のライター

関連する投稿


Parrot、ズーム付き4K HDRカメラを搭載した「ANAFI」が登場

Parrot、ズーム付き4K HDRカメラを搭載した「ANAFI」が登場

Parrot(フランス)は、新型ドローンANAFIを発表した。4K HDRカメラを搭載し、180度のチルト機構と2.8倍のズーム機能を備えている。コンパクトに折りたたんで運べる設計で、AIによる自動飛行モードも備え25分の飛行を可能にする。(田中亘)


【ドローン × ICT】 「第一回 北海道ドローン選手権」が開催される(2)

【ドローン × ICT】 「第一回 北海道ドローン選手権」が開催される(2)

「第一回 北海道ドローン選手権」に参加した6チームは、大きく二つに分かれる画像処理を用いた。オフラインでの解析とオンラインでのリアルタイム処理。今回は、各チームのドローンや開発環境を解説する。


ドローンの存在感が増す【全日本模型ホビーショー】

ドローンの存在感が増す【全日本模型ホビーショー】

9月30日と10月1日の二日間、東京ビッグサイトの東7・8ホールで、第57回となる全日本模型ホビーショーが開催された。会場には各種の模型やホビー商品が数多く展示されていたが、その中でもホビー用ドローンの存在感が増し、多くの来場者の注目を集めた。


Parrotが最新ドローンを発表【全日本模型ホビーショー】

Parrotが最新ドローンを発表【全日本模型ホビーショー】

第57回全日本模型ホビーショーで、仏Parrot社がミニドローンのManboとBEBOPの最新モデルを発表、展示した。ホビーショーは9月30日〜10月1日、東京ビッグサイトで開催。


Parrot、農業や不動産業向けのドローンを発表

Parrot、農業や不動産業向けのドローンを発表

Parrotは「Bebop」や「Disco」などの一般消費者向けドローンで名を知られているかもしれないが、2012年からは商用ソリューションにも取り組んでいる。


最新の投稿


米国で4K動画を撮影できる$500以下のドローンが登場

米国で4K動画を撮影できる$500以下のドローンが登場

インテルの出資を受けるYuneec社(中国)は、米国でMantis Qという4K動画を撮影できる小型ドローンを発表した。価格は、$499.99(約5万5千円)からと低価格が魅力。


米国インテルはNASAやFAAと協力してOpen Drone IDの開発を推進

米国インテルはNASAやFAAと協力してOpen Drone IDの開発を推進

2018年8月15日、オクラホマ州デュラント。Intelのドローンチームのメンバーは、オクラホマ州でIntel Falcon 8+ドローンやモバイルアプリのOpen Drone IDを使い、NASAやFAA(連邦航空局)と協力して、UAS統合パイロットプログラムのイベントに参加した。



DroneDek社がドローン用宅配ボックスの米国特許を取得

DroneDek社がドローン用宅配ボックスの米国特許を取得

未来技術のメールボックスの開発に取り組むDroneDek社(米国インディアナポリス)は、ドローン配送におけるラストワンマイルの課題を解決する米国特許を所得したと8月9日に発表した。


 セキド、超小型かつ高い機動性をもった水中ドローン『CCROV』の販売を開始

セキド、超小型かつ高い機動性をもった水中ドローン『CCROV』の販売を開始

株式会社 セキド(東京都国立市)は、 超小型かつ高い機動性をもった水中ドローン「CCROV」の販売を開始した。