【ドローン × ICT】 「第一回 北海道ドローン選手権」が開催される(1)

【ドローン × ICT】 「第一回 北海道ドローン選手権」が開催される(1)

9月30日。北海道旭川市の勤労者体育センターで、旭川ICT協議会が主催する「第一回 北海道ドローン選手権」が開催された。会場には、北海道大学や北見工業大学など、道内から6団体が参加し、ドローンとICTを組み合わせて、高齢化の進む酪農産業など道内の課題解決に挑む競技が行われた。


「第一回 北海道ドローン選手権」の参加者と会場となった体育館

日本全国の耕作地の25%を誇る北海道の農業が抱える課題

開会の挨拶をする旭川ICT協議会の小川博会長

 北海道の耕作地面積は約115万ヘクタール(農林水産省「耕地面積統計」)。その広さは、日本全国の耕作地の25%を占める。しかし、平成2年の120万9,000ヘクタールをピークに減少が進んでいる。その背景には、高齢化や後継者不足による離農の増加がある。道内で約50万ヘクタールに及ぶ牧草地でも、担い手不足という課題を抱えている。こうした課題をドローンとICTを活用して解決するために「第一回 北海道ドローン選手権」が開催された。開催の目的について、旭川ICT協議会の小川博会長は「本選手権は、ドローン関連技術の開発と新分野での応用を視野に入れた競技会です。広大な北の地において、競技会を通して競われるドローンとICTは、北海道の将来に必要な技術であり、IoT時代に向けた新たな事業につながる期待もあります」と話す。

6次産業も見据えた北の大地のドローン技術を競う

選手権の会場には15個の段ボール箱が置かれている。床からの視線では箱の中にサッカーボールがあるかどうかはわからない。

 広大な牧草地に放牧されている乳牛などを効率よく管理するためのドローンとICTの利活用を目指す「第一回 北海道ドローン選手権」。実際の競技では、乳牛に見立てたサッカーボールを段ボール箱に隠し、それを上空からドローンのカメラで撮影して、画像解析などのICTで発見する課題が与えられた。会場となった体育館には、牧場に見立てた20m×20mのブルーシートの上に15個の段ボール箱が配置され、その中に最大で10個のサッカーボールが隠されている。競技者はドローンを段ボール箱の上に正確に飛行させて撮影しなければ、箱の中の情報を得られない。そして撮影した画像データは、PCで画像解析を行い、ボールの有無と位置や数を特定し、回答を用紙に書いて審判に渡す。
 競技会を指揮してきた北海道大学の名誉教授で、北海道情報大学の古川正志氏は「本選手権は酪農産業に留まらず、農業支援のICT化を発展させることを念頭に、北の大地で6次産業化を目指すドローンの技術を積極的に開発するものです。北海道の広大な大地と融合したハードとソフトの一体化を目指した本選手権を通して開発される技術は、広く他の分野にも応用できるものになります」と選手権の意義を語る。

段ボール箱の中にはサッカーボールが複数入っているケースもあるので正確な画像解析が求められる。

大学から高専に民間企業まで道内から6チームがエントリー

優勝するためには正確なドローンの飛行と撮影、そして迅速な画像解析が求められる。会場の隅で準備する学生の様子。

 「第一回 北海道ドローン選手権」には、以下の6チームがエントリーした。

・旭川工業高等専門学校
・函館工業高等専門学校
・北海道情報大学
・北見工業大学
・北海道大学 ロボティクス・ダイナミクス研究室
・北海道大学 大学院情報科学研究科 情報理工学専攻 複合情報工学講座 自律系工学研究室

 各チームには、10分の制限時間が与えられ、ドローンによる空撮から画像解析までの時間と正確さが求められる。競技は、ドローンを離陸させた時点から時間が計測され、より短時間で正確に段ボール箱の中にあるサッカーボールの数と位置を解析したチームの優勝となる。また、時間と正確さに加えて、ドローンの飛行方法も手動か自動かによって評価点が異なる。ただし、今回はGPS信号が受信できない屋内での飛行となったため、自律飛行を目指していたものの、やむなくコントローラーによる操作に切り替えたチームもあった。
 次回は、参加チームが利用したドローンの機種や画像解析のICTなどについて紹介する。(つづく)

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