約4,000ヘクタールをリモートセンシングした評価と課題
ドローン・ジャパン株式会社は、2017年に国内で約4,000ヘクタールの露地圃場をドローンでリモートセンシングしてきた。その実績と評価について、代表取締役社長の勝俣喜一朗氏は「今年度のリモートセンシングによる分析では、収穫適期の判断や生育状態の把握に発芽個所の特定など、多くの評価を生産者の方々からいただきました」と報告し「一方で、より簡易なドローンセンシングや、圃場の状態を『即』把握できる分析など、新たな要望や期待も寄せられました」と次年度に向けた課題に触れる。こうした課題を解決するために、同社では「DJアグリサービス2018」として、新たに3つのサービスを発表した。それは、オリジナルドローンの製品化と、Quick(クイック)な画像変換に、データのアップロードとクラウド解析サービスの提供になる。
エンルートラボ製ドローンをDJアグリドローンとして販売
同社の取締役会長の春原久徳氏は、開発中の「DJアグリドローン」を紹介した。同ドローンは「エンルートラボに開発と生産を委託しているドローンで、ローエンドモデルとハイエンドモデルを販売する計画です」と説明する。ローエンドモデルは、3D RoboticsのSoloと同等の価格で、一回の充電で20分の飛行を予定している。ハイエンドモデルの価格は未定だが、40分の長時間飛行を計画している。「Soloを利用したリモートセンシングでは、コントローラーにタブレットやPCなど、複数のデバイスを持ち歩いて使い分けなければならない煩雑さが課題でした。DJアグリドローンでは、生産者の方々でも簡単に運用できるようにシンプルな操作を実現します」と春原氏は話す。
動画ファイルを手早く画像に変換する"Quick"見回りサービスと"Quick"なクラウド連携を実現するサービス
続いて、ドローンで撮影した画像を短時間に手早く確認したい、という要望に応えるために開発された"Quick"見回りサービスが紹介された。開発元の株式会社ダブルシャーププラスの松田徹代表取締役社長が登壇し、同サービスは「ドローンで撮影したMPEG4などの動画をソフトで読み込むだけで、GPSや飛行データなどがなくても、短時間で簡単に画像を作成し、圃場などの状態をその場で確認できます」と説明した。
また、エクストリームデザイン株式会社の提供する"Quick"アップロードサービスと"Quick"比較サービスは、スーパーコンピュータ級の解析機能をクラウドで提供するサービス。通信回線の遅い環境でも、高速に画像転送できるアップロードサービスと、高速クラウド解析によって「時系列に圃場を比較して変化を図示化したり、他の圃場の比較も可能です」と代表取締役の柴田直樹氏は特長を語る。
ドローン・ジャパン株式会社では、この「DJアグリサービス2018」を150,000円の初期登録費と、1ヘクタールあたり1回5,000円からの価格で提供し、年末までパートナーの募集を行う。パートナーの目標に関しては「来年は、今年の10倍の約40,000ヘクタールのリモートセンシングを計画しています。その数字に見合うパートナーを国内外から広く募っていきます」と春原氏は話す。