【慶大×田村市】ドローン講座第二期終了 承諾書の実物に実感 慶大・南氏「ドローンの〝師〟として発信を!」

【慶大×田村市】ドローン講座第二期終了 承諾書の実物に実感 慶大・南氏「ドローンの〝師〟として発信を!」

 ドローン研究に力を入れる慶大が、福島県田村市と結んでいる〝ドローン連携〟で、事業の目玉として進めていた福島県立船引高校(田村市)でのドローン特別講座第2期が9月11日、終了した。生徒達は今後、蓄積した知識や経験、技術の活かし方を自主的に考えていく。


空撮、体験会を振り返り 「ドローン体験、食いつきよかった」

 最後の講座では、9月9日に市内で開催された田村市初の野外音楽フェス「One+Nation music circus @ TAMURA ~RE PRIDE~」での空撮活動、体験会活動を振り返った。空撮活動の振り返りでは、生徒達の撮影した大量の映像について、それぞれ一部を鑑賞しながら、その撮影で目指したものや、実際の映像が目指したものになっているか、などについて話し合った。
 無防備な表情が映し出された場面や、捉えようとした被写体が予想と異なる動きをした場面などでは笑い声が起き、見応えのあるシーンや、誰もが感心する映像には感嘆の声が上がった。周囲をぐるぐると高速で見渡すシーンでは「乗り物酔いしそう」などの声があがった。
 指導してきた慶大SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長の映像も披露され、技術上の工夫ポイントや、そのシーンの撮影のための事前準備、撮影時の確認ポイントなどの解説には、生徒達は頷いたりメモをとったりしていた。
 この経験から学んだことについて、生徒は「人の頭上で飛ばしても危険に思われよう腕を磨きたい」、「フェスでの空撮はこれまでにないチャレンジだった」、「会場をまわって体験会への参加を呼びかけていると、食いつきがよくて多くの人に話しかけられた」などの感想を述べた。 
 これに対して南政樹事務局長は「頭上を飛ばすことについては、安全確保を常に意識することが大事。たとえばドローンに万が一のことがあったときに、安全に落とせる場所があるかどうかなどはそのひとつ」、「ドローンで撮影していた人が予想よりいいリアクションをしてくれると嬉しいもの。その感覚は大切にしたい」、「潜在的にドローンを飛ばしてみたい、と思っている人は多いことが分かったと思う」などとコメントした。

ドローン特別講座の最終日は視聴覚室で行われた。教室を使うのは初めてだ

野外音楽フェスで撮影した映像を見ながら振り返る生徒達

飛行許可・承諾書に生徒ら15人の名前

 またこの日は、野外音楽フェスで空撮するのに備え、9月6日に取得済みだった国交省のドローン飛行の許可・承諾書の実物のコピーが生徒達に配られた。生徒達は、承認された事実は知らされていたものの、文書で見るのはこのときが初めて。
 許可・承諾書は船引高校の伊豆幸男校長あてで、「飛行の禁止空域で飛行させること、及び、飛行の方法によらず飛行させることについては、航空法第132条ただし書及び132条の2ただし書の規定により、下記の無人航空機を飛行させる者が下記の通り飛行させることについて、申請書の通り許可及び承諾する」と明記されている。
 「飛行させる者」には、航空局に申請した生徒、教員の15人の名前が並び、書面を見た生徒達は、飛行許可取得の実感を味わった。
 許可の期間は来年3月31日まで、田村市内でDJIのPhatom4を飛ばせる。

国交省からの飛行許可・承諾書をみて改めて実感を味わう

南先生から生徒に〝バトン〟 「田村をまかせた!」

 講座の最後に南事務局長は、「今日でみなさんにバトンを渡します」と結びの話を切り出した。
 「1日でも先に学んだみなさんは、田村市ではドローンについて〝師〟です。どんどんドローンの楽しさを伝えて下さい。どんどんドローンで発信してください。ぼくらにとって、田村は魅力あふれる町です。桜も、これからの季節ならイチョウも魅力的だし、夜景も、夕景もそうでしょう。そういったたくさんの魅力を発信してください。みなさんが発信をすることが、バトンのひとつです。これからの田村をまかせたぞ、という意味だと受け取ってください」
「それから、もうひとつ手渡すバトンがあります。それは、これからこの取り組みそのものを、どうするのかを考える、というバトンです。みなさんは現在、『特別講座に参加している生徒』か、『ドローンチーム』という任意の集まりとして活動しています。それをどうするのか、レースに出るとすると、そのときにどうするのか。そんなことも考えてみて下さい」
 「ぼくはドローンの研究をしていますが、ドローンこそがすべてである、とは思っていません。『ドローン前提社会』になると言ってはいますが、ドローン前提社会になれば、その次には形を変えた社会が到来するでしょう。ドローンも形を変えるでしょう。先に行った人は次を作る。みなさんは6回の第二期ドローンの講座で得たドローンの楽しさを、どんどん伝えて、次に進んで変える側になってください」。
 また、生徒達の指導を務めた株式会社糺の森(東京)の土方愛玲奈さんが、東京からテレビ会議で参加。土方さんが画面に映ると、女子生徒を中心に「かわいい!」と手を振った。土方さんは「みなさんといっしょに講座に参加できて楽しかった」とあいさつした。
 講座終了後には、南事務局長や関係者のまわりに生徒達の輪ができ、「空撮がしたくて講座に参加した。講座に参加して正しい扱い方も、楽しさも知ることができた。田村の魅力をもっと発信したい」、「まだドローンを知らない子供たちに体験会を開きたい」、「ドローン講座を希望する人が相談できる窓口を作りたい」など、今後の構想についての話が途切れなかった。
 慶大は今後、田村市との連携活動を続ける。10月1日には、市内で開催される田村市の総合防災訓練で、慶大が指導した田村市消防団と、船引高校の生徒の代表者が、ドローンのフライトを市民に披露する予定だ。また、ドローン社会共創コンソーシアムとして、ドローン前提社会構築に向けた研究活動も、思い産業分野で加速させる方針だ。

映像を見ながらコメントする慶大SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長。生徒達に〝バトン〟を引き継いだ。

野外音楽フェスでの空撮、体験会では女子生徒の活躍も目を引いた

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