高層ビル街の防災にもドローン 工学院大など「チーム・新宿」が推進

高層ビル街の防災にもドローン 工学院大など「チーム・新宿」が推進

 人口密集地や高層ビル街は、想定されるドローンの活用エリアとして少数派だ。その中にあって工学院大学などの取り組みは目立つ。同大学がキャンパスを構える東京・新宿駅周辺エリアの防災活動支援技術を開発する一環として、ドローンを取り入れる実験を展開しているのだ。2月には飛行実験を新宿の公園で実施。今後も実験と検証を重ねる。


飛行安定性、撮影条件など確認 「今後もリアルタイム被害把握を模索」

 工学院大学は今年2月に、キャンパスに近い新宿中央公園でドローンを飛行させて、撮影、動画像の送受信などを実施した。国内最大の高層ビル街であり人口密集地でもある新宿駅周辺エリアでのドローンの実験飛行はこれが初めてで、今後は、情報収集、滞留者誘導へのドローン活用についてさらに検証を深め、技術開発に役立てる。
 実験は、工学院大学をはじめ、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、SOMPOリスケアマネジメント株式会社、株式会社理経、新宿区危機管理担当部で構成する「チーム・新宿」が主体となり、新宿駅周辺防災対策協議会、株式会社NSi 真岡、アイベックステクノロジー株式会社、日東通信株式会社の協力を得て実施した。主に高層ビル街での飛行の安全性、情報収集のための撮影条件、撮影した動画像の送受信、上空からの音声での情報伝達能力などを確認した。
 実験当日は晴天で、プログラムによる自動飛行も含め安定し、高層ビルの影響を感じることはなかった。撮影ではさまざまに条件を変更しながら実施し、俯瞰的な当エリアの状況把握に十分活用できることが確認できたなど、成果をあげた。一方、より厳しい条件下での飛行の検証が必要との指摘もされた。
 工学院大学の村上正浩教授は「今後は現地本部や災害対策本部での的確な意思決定を支援するため、AI技術などで定量的なリアルタイム被害把握の可能性も模索したい」と話している。

今年2月の実験の様子(工学院大学提供)

2月の実験では動画像の送受信の実験も実施した(工学院大学提供)

この記事のライター

関連する投稿


【2017蔵出し】新宿にドローン再び 「新宿ならでは防災」の確立へ一歩

【2017蔵出し】新宿にドローン再び 「新宿ならでは防災」の確立へ一歩

 工学院大学、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、株式会社理経など新宿駅周辺防災対策協議会メンバーの企業などが構成する「チーム・新宿」は12月12日、高層ビル街での災害対策の一環として、ドローンや自家通信網を活用した情報収集、滞留者に対する音声での情報伝達、テレビ会議システム活用による情報共有などを中心に実施した。


仙台市とノキアが連携協定 防災、減災でドローン含む最新技術を活用

仙台市とノキアが連携協定 防災、減災でドローン含む最新技術を活用

 無線や通信インフラの大手、ノキア(フィンランド)の日本法人、ノキアソリューションズ&ネットワークス(東京)は、仙台市と「IT技術を活用したまちづくり」などで連携協定を結ぶことになり、10月17日、仙台市役所で締結式を行った。仙台市の防災・減災の取り組みにノキア側がドローンを含む最新技術を提供することなどで協力する。


東京都あきる野市がDJIの災害対策ソリューションを活用、DJI Storiesで紹介

東京都あきる野市がDJIの災害対策ソリューションを活用、DJI Storiesで紹介

DJI JAPAN株式会社(本社:東京都港区、 代表取締役:呉 韜)は、 東京都あきる野市(市長:澤井敏和)が、 自然災害に対応するため、 DJIの災害対策ソリューションを活用したと発表、 実際の訓練の状況や市職員の声を収録した活用事例動画DJI Stories「自動飛行で進化する災害対策」を公開した。


消防庁の29年度新規研究課題に、理経の有線Droneを利用した研究が採択

消防庁の29年度新規研究課題に、理経の有線Droneを利用した研究が採択

消防庁による「消防防災科学技術研究推進制度」における平成29年度新規研究課題で理経(本社:東京都新宿区)の「有線Droneを利用した移動型火のみやぐらとG空間システム連携の研究」が採択された。


超高層ビル街でのドローンを活用した災害対応実証実験を実施  2月11日

超高層ビル街でのドローンを活用した災害対応実証実験を実施  2月11日

新宿駅周辺防災対策協議会のメンバーの、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、SOMPOリスケアマネジメント株式会社、工学院大学、株式会社理経及び新宿区(「チーム・新宿」)は、人口密集地かつ超高層ビル街である新宿西口エリアで、災害時の情報収集及び滞留者誘導を目的に、ドローン活用の実証実験を2月11日に実施する。


最新の投稿


第4回 はくい花火大会 ドローン空撮

第4回 はくい花火大会 ドローン空撮

石川県羽咋市花火大会


クオリティソフト、スクール運営からオリジナル機体の開発まで本気でドローンに取り組むIT企業

クオリティソフト、スクール運営からオリジナル機体の開発まで本気でドローンに取り組むIT企業

セキュリティソリューションを中心にIT事業を展開するクオリティソフト株式会社(本社:和歌山県白浜町、代表取締役社長:浦聖治)は、2017年4月からドローンスクール事業を開始し、オリジナルドローンの開発にも取り組んでいる。


日本ドローンビジネスサポート協会が無料の「ドローン測量講習会」を開催中

日本ドローンビジネスサポート協会が無料の「ドローン測量講習会」を開催中

一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(岡山市)は、 無料のドローン測量講習会を全国で開催している。「Terra Mapper デスクトップ版」の説明会・実務指導・機材販売・ソフトウェア販売する。


ドローンの活用に向けた人材育成に関する協定を締結 八王子市とデジタルハリウッド

ドローンの活用に向けた人材育成に関する協定を締結 八王子市とデジタルハリウッド

八王子市(東京都)とデジタルハリウッド株式会社(東京都千代田区神田駿河台)は、小型無人航空機(ドローン)の活用に向けた人材育成に関する協定を、八王子市の石森孝志市長とデジタルハリウッド株式会社の杉山知之取締役学長が調印、2月23日に締結した。


【慶大×田村市】慶大、田村市で農業利用も展開 生産者交じえ意見交換会

【慶大×田村市】慶大、田村市で農業利用も展開 生産者交じえ意見交換会

 慶應義塾大学とドローンに関する包括的な連携協定を締結している福島県田村市は2月22日、農業従事者を交じえドローンの農業活用を実践するための「意見交換会」を開いた。今後1年間はドローンを活用するために必要な情報収集や観察にあて、2019年度をめどに生産者の負担軽減、品質向上、信頼性確保などで付加価値向上に役立てていく。