中国の産業用ドローンの進歩がただごとじゃない! JUIDAが定例セミナーで海外報告

中国の産業用ドローンの進歩がただごとじゃない! JUIDAが定例セミナーで海外報告

 一般社団法人日本UAV産業振興協議会(JUIDA)は8月28日、定例セミナーを開催し、幹部による中国の展示会視察報告と、欧州カンファレンス参加報告を行った。中国については、産業用シフトが進み、技術的にも目覚ましい進展がみられる実態が浮き彫りになった。


20㎏積載し20分飛ぶ農薬散布機、風力7、-40度でもOKな過酷状況対応機も

 会場で多くの視線を集めたのは、JUIDAの千田泰弘副理事長が行った講演、『中国ドローン産業事情~深圳UAV EXPO 2017など~』で紹介された中国の新型機だ。千田副理事長は、6月23~25日に深圳国際展示場で開かれた「深圳UAV EXPO 2017」で「ここにきて急速に産業用が伸びているという印象を受けた」と述べた。
 展示会には本社を深圳に置き、米国に研究所を置くRongQe Intelligenceが、風力をクラス分けする国際的なスケール、ビューフォート風力階級で、「木の大枝が揺れ、傘が差しにくい」とされる「6」(風速10・8メートル毎秒~13・8メートル毎秒)でも、10キログラムを積載し、75分の飛行が可能な機体を展示していたり、ドイツ・ブレーメンに研究所を持つHarwarが、風力「7」(13・9メートル毎秒~17・1メートル毎秒)、気温がマイナス40度から70度の間なら飛行可能で、しかも3分で組み立てられるなど、過酷環境対応機が展示されていたりしたことを報告した。
 SmartDroneはペイロード6キログラムで3・5時間の飛行が可能なハイブリッド機、ChinaEagleは開発中の軍事用ステルスドローン「Sharp Sward」を、ShentzenJTTが海難救助用の救命ドローンを展示。ほかにも、ローターごとに独立したガソリンエンジンを搭載し、ペイロード(積載可能荷重)が40キログラムで、129分の継続飛行が可能とうたう機体や、ペイロード20キロで、15~20分の飛行ができる農薬散布着、子供が乗れそうな大型機などの展示もあった。
 千田副理事長は「英語表記がなく詳細が不明なものもあったが」と断わりながら、「機体も大きく、デザインも手を抜いていない産業用機が多く見られ開発が加速しているという印象を受けた」と話した。

中国のドローン最新事情について報告するJUIDAの千田泰弘副理事長。

深圳の展示会で発表された“救命ドローン”

特許も中国が圧倒 日本は「それどころか減っている」現状

 また、中国のドローン産業を地域別に分布をみると深圳のある広東省が27%と最大でありながら、北京市に19%、江蘇省に15%、内陸部の四川省にも15%と、中国に広くドローン産業の拠点が広がっていると指摘。千田副理事長は「深圳はドローン開発の中心であることにかわりはないが、決して深圳だけではなく、ますます広がっていることを知っておく必要があるのではないかと思う」と述べた。
 さらに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がまとめた資料を棒グラフにして示しながら、ドローン関連特許の文献数を比較。全体の文献数は2011年から2015年にかけて4倍に届きそうな勢いで飛躍的に増加していることがわかる。その中でも、中国の増加が圧倒的で、2015年には、資料内では2位の米国をはるかに上回り3倍に近い。
 もっとも千田副理事長は、「見てほしいのは日本だ。数字として中国の足元にも及ばないだけでなく、それどころか2011年から2015年にかけて、日米韓が増加する中で、唯一、減少している。これは何を示しているのか。直視したほうがいい」と、警鐘を鳴らした。

欧州カンファレンスでは、日本のドローンスクール事情を説明

 後半は岩田拡也常務理事が6月13、14日にベルギーで開かれたカンファレンス「RPAS」に参加した様子について『欧州最新動向~RPAS 2017カンファレンス~』として報告した。
 岩田常務理事は日本のドローンスクールが拡大しつつあり、資格保有者も年々増えていることなどを報告、「スクールが全国に100ほどあると伝えると、会場から感心するような声があがった」などと述べた。
 各国の議論の中では、飛行に制約がかかっているところに、飛行のニ-ズがあると感じたことが印象的だと指摘。肉眼で確認できない場所の飛行については、ドイツ、フランスからの参加者が統一ルールの策定を主張したという。一方で、「ルールを押しつけてほしくない」という参加国もあり、事情が異なる国家間でのルール策定の難しさも示したという。

欧州カンファレンス「RPAS」の参加報告をするJUIDAの岩田拡也常務理事

この記事のライター

関連するキーワード


JUIDA 深圳 RPAS

関連する投稿


「ジャパンドローン2018」来年3月幕張で開催 「経産大臣賞」創設を計画

「ジャパンドローン2018」来年3月幕張で開催 「経産大臣賞」創設を計画

 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は10日、ドローン産業の専門展示会「ジャパンドローン2018」を、株式会社コングレ、株式会社スペースメディアジャパンと共催で、来年(2018年)3月22日(木)~24日(土)に、幕張メッセ(千葉市)で開催すると発表し、開催説明会とセミナーを開催した。


山形県に初のJUIDA認定スクール 5月に開講、生徒募集開始

山形県に初のJUIDA認定スクール 5月に開講、生徒募集開始

 山形県で初めてとなる一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)認定のスクール「山形やまドローンスクール」が5月に開講する。運営するのは酒田市に本社を置く株式会社スカイDで、現在、WEBサイト(http://yamagata-drone.com/)で受講生を募集している。


JUIDA「国際標準化に積極関与」 標準化委員会で方針確認 海外意見にはコメントも

JUIDA「国際標準化に積極関与」 標準化委員会で方針確認 海外意見にはコメントも

 日本を代表するドローンの業界団体、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA、東京)は6日、ドローンの国際標準化の動きに関する方針を検討する「民生用UAS国際標準化委員会」を開き、国際標準化機構(ISO、スイス)などで進む標準化の議論への対応方針を検討した。日本勢として今後、より積極的に関与する方針を確認した。


Japan Drone 2017「日中韓シンポジウム」 市場は拡大加速 課題は教員養成

Japan Drone 2017「日中韓シンポジウム」 市場は拡大加速 課題は教員養成

 幕張メッセ(千葉市)で開催されたドローンの展示会Japan Drone 2017で、中国、韓国のドローン業界の代表者を招いた意見交換会「日中韓ドローンシンポジウム~ドローン東京宣言」が催された。日本の一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長が司会を務め、業界動向や教員養成について語り合った。


最新の投稿


VIEWNが『JUN OKAMOTO』と「ドローンフライトのためのシャツ」制作

VIEWNが『JUN OKAMOTO』と「ドローンフライトのためのシャツ」制作

「ドローンカルチャー」を提案するVIEWN(ビューン)が、 ファッションブランド『JUN OKAMOTO』とコラボレーションをして、 ドローンフライトと様々な撮影シーンを想定したデザインしたシャツを制作。 VIEWNのオンラインストアで販売。


祖谷のかずら橋(国指定重要有形民俗文化財)ドローン 空撮

祖谷のかずら橋(国指定重要有形民俗文化財)ドローン 空撮

かずら橋は国指定重要有形民俗文化財です。


大山千枚田を空撮

大山千枚田を空撮

千葉県にある棚田・大山千枚田


テラドローンがLGU+と韓国初 ドローン管制システムを事業化

テラドローンがLGU+と韓国初 ドローン管制システムを事業化

テラドローン株式会社(東京都渋谷区)は、 韓国の通信企業LG U+(韓国ソウル)と協業し、 韓国初のクラウド型ドローン管制システムを事業化した。


NTTデータ、ドローン運航管理用ソフトウエアパッケージ「airpalette® UTM」の提供開始

NTTデータ、ドローン運航管理用ソフトウエアパッケージ「airpalette® UTM」の提供開始

~愛媛県の原子力防災訓練で利用、ドローンによる避難経路の被災状況の確認に成功~