【慶大×田村市】慶大・南政樹氏 生徒がドローンでフェスに参加する意義

【慶大×田村市】慶大・南政樹氏 生徒がドローンでフェスに参加する意義

 9月9日に田村市で開催される音楽フェスに、福島県立船引高校(福島県田村市)でドローン特別講座を受講している生徒がドローン空撮などで参加する。指導を担っている慶大SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長(政策・メディア研究科特任助教)に、生徒が参加する意義を聞いた。


教科書より、先生の話より多くを得る〝ホンモノ体験〟

 ――9月9日の音楽フェス「One―Nation」に、生徒が参加することになりました
 「フェス会場の空撮と、会場に設けるブースでの体験フライトのサポートで参加してもらうつもりです。開演前の準備の様子や、地元の発表ステージ、観客の様子などを決められたエリアで撮影できればいいと思っています。どう撮ればカッコよくなるか、盛り上がりや楽しさが伝わるかなど、工夫が必要になると思います。また体験ブースでは、ドローンに触れたことがない方もいらっしゃるでしょうから、そういった方にどうすれば魅力を伝えられるかが工夫のしどころでしょう」
 ――生徒達にとっての意義は?
 「ぼくは彼らに、井の中の蛙であってほしくない。そのために、ホンモノの体験をして欲しいと思っています。ホンモノでしか、ぶっつけ本番でしか得られないことがあるからです。今回の音楽フェスは、地元の田村市も関わる、その場限りのホンモノのイベントです。生徒達はおっかなびっくりで参加することになるかもしれません。だから本気で考え抜いて、何をするか、しないかを決めるでしょう。それがよかったか、そうでなかったかの結論も出ます。これは、どんな優れた教科書よりも、立派な先生の話よりも、得られるモノが多いはずです」
 ――フェス参加は、生徒にとって貴重な〝ホンモノ体験〟になると?
「貴重です。ホンモノが貴重であることは、災害対策を考えればわかります。日頃の訓練はできますが、ホンモノ体験は災害現場しかない。つまり、体験を積むための提供はできないわけです。それだけ貴重です。でもドローンで空撮では、ホンモノは提供できます。なぜなら、地域や自治体には、季節のお祭りや行事などの貴重なコンテンツがいっぱいあるからです。地元の人は、当たり前になりすぎて、それを貴重だとすら考えないかもしれませんが、それが実は貴重なホンモノ体験になります。ホンモノ体験をすれば、自信がつき、成長できます。おそらくフェスに参加した生徒は、ドローンを飛ばしたことがある人? と聞かれれば、胸を張って飛ばしたことがある、と答えられるでしょう。ドローンのオペレーターが足りない、という声を聞きますが、彼らは貴重な人材となります」
――田村市にもたらす効果は何か考えられますか
 「これまで、ドローンを飛ばす生徒を育て、飛ばすホンモノの体験を提供できる環境を作ってきました。生徒はこれから、ドローンで撮影した地元の魅力を納めた映像を、公開していくことになります。公開された映像は、そういった環境を探している人々を引き寄せます。それまで『当たり前』としか思っていなかった地元の人々も、それを地元の誇り、と捉え直すことができます。そのときに改めてドローン人材を育てることの大切さがわかってきます。素でおられる方々が地元をもっと誇らしく思えるようになり、外からも人が立ち寄る循環が生まれるようにしたい。それを『田村モデル』として、地方創生のひとつの事例として、広くヨコ展開をしたいと考えています」

田村市にある福島県立船引高校でドローン特別講座の指導を担う、南政樹・慶大ドローン社会共創コンソーシアム事務局長

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