米マイクロソフトが上昇気流を捉えるAIグライダーを開発中

米マイクロソフトが上昇気流を捉えるAIグライダーを開発中

米マイクロソフトは、8月16日に同社の研究部門が開発しているAIを搭載したグライダーの実験映像を公開した。このAIグライダーは、温度センサーで大気温を計測し、鳥のように上昇気流を捉えて飛行する。


実験が行われたネバダ砂漠

ネバダ砂漠で行われた飛行実験

AIグライダーを離陸させる様子

 動画はネバダ砂漠でグライダーを手で投げて飛ばす場面から始まる。グライダーには小さなプロペラがついているが、実験の目的は動力を使わずに上昇気流を発見して飛行すること。AIを搭載したグライダーは、気温や風向きなどの情報をスキャンして、ネバダ砂漠に発生する上昇気流を捉える。米マイクロソフトのPrincipal Researcher(主任研究員)のAshish Kapoor(アッシュ カプール)氏は「鷹や鷲が上昇気流を利用して高く飛んでいるように、センサーとAIでグライダーを飛ばそうと考えたのです」と説明する。
 実験では、緊急時に手動操作に対応するパイロットが常にグライダーを追跡し、別の車には数多くのノートPCをモニタするスタッフが搭乗して、飛行の様子をモニタしている。Researcher(研究員)のAndrey Kolobov(アンドレイ コロボフ)氏は「グライダーのAIが状況を判断して上昇できる空気の流れを発見しなければなりません」と話す。

米マイクロソフトのPrincipal Researcher(主任研究員)のAshish Kapoor(アッシュ カプール)氏

 今回の実験では、AIによる意思決定が求められるため、障害物の回避や物体の認識などと比べると、はるかに高度なAIシステムが開発された。技術的には、状況の変化が不確実性を伴うことから、変化の確率を制御するために「マルコフ決定プロセス」というフレームワークを用いて、飛行の自律制御を設計している。コロボフ氏は「マルコフ決定プロセス」に関する本を共同時執筆した研究員でもある。同氏によれば、すべての状況を把握できない環境で、計画を決定するために「マルコフ決定プロセス」を利用したという。グライダーに搭載されたAIでは、この「マルコフ決定プロセス」にベイジアン強化学習という学習手法を組み合わせて、適切な判断を下すシステムを開発している。

Researcher(研究員)のAndrey Kolobov(アンドレイ コロボフ)氏

複数のノートPCで飛行をモニタリングするスタッフ

飛行状況のモニタリング

胴体着陸の様子

 カプール氏は「我々のAI研究は、大きな利便性をもたらします。例えば、物流や精密農業やマッピングにインターネット接続など、高度なインテリジェンスが求められるデバイスにおいて、不確実な環境下で、的確な飛行の意思決定を実現できるようになります」と語る。

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