「空の産業革命、第二幕を迎えて」  JUIDAの創立2周年記念セミナーから

「空の産業革命、第二幕を迎えて」  JUIDAの創立2周年記念セミナーから

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、創立2周年を記念して開催したセミナーは、「無人航空機(UAS)の世界動向」をテーマに掲げた。最新の調査報告や国際会議の参加報告が披露されることから、JUIDA会員や業界関係者、関心層が会場に詰めかけ、登壇者の話に耳を傾けた。


欧州を中心に標準化の進むドローンの世界動向

 セミナーは2016年7月12日、東京・日本橋で開催された。
 冒頭、挨拶に登壇した鈴木真二理事長は、創立2周年を迎えたJUIDAが、国際会議に招聘されて、日本の状況を講演するなど、各国の関係者と積極的な情報交換を行っている現状を報告した。また、2016年6月には、中国深センで国際的なドローンのコンベンションが開催され、米連邦航空局(FAA)が商用の小型無人航空機に対する規制を発表し、RPAS2016やISO TC20/SC16などの国際会議が、欧州や中国で開催されている動向を説明した。
 鈴木氏に続いて登壇した中村裕子参与は、「欧州を中心に:政策・管理システム・標準化・アプリケーションの世界動向」と題した講演を行った。
 中村氏は、東京大学総括プロジエクト機構航空イノベーション総括寄付講座の特任助教で、2009年より東京大学に勤務して、日本の航空機産業の競争力向上のために活動している。2015年の夏からは、JUIDAの参与として各国のドローン規制の比較やカンファレンスの企画などに取り組んでいる。講演の中で中村氏は、欧州が150kg以下のドローンに関する規制を各国で統一する動きがあると報告した。具体的には、20〜25kgを前後に2〜4カテゴリ別に規制するなどの案が検討されているという。また、欧州安全航空局(EASA)では、産業の発展と安全の確保を調和させるために、Open(公開)とSpecified(特例)とCertified(認証)の3レベルに分類するリスクベースのアプローチを推進していると報告した。
 「今後の欧州のロードマップは、各国の航空安全局と協調していくだけではなく、事業としての成功や投資を促進するための研究、都市部での安全な環境規制やコンセプト作りに取り組んでいく計画です。また、安全のために、規則順守の啓蒙活動や法務機関との連携も推進すると発表しています」(中村氏)
 欧州の動向に加えて、世界でもドローンを取り巻く標準化の活動が盛んになっている様子が紹介され、安全でセキュアな運用の確立と、共通性を増やしてドローンの機能や可能性を広げる市場の重要性が伝えられた。

中国・深センのドローンビジネス事情と国際的な標準化の動向

二つ目の講演には、ブルーイノベーション株式会社の熊田貴之代表取締役社長が登壇し、先に中国の深センで行われた国際ドローンフォーラムの様子を紹介し、深センを中心とした中国のドローン市場についての報告が行われた。
「深センの国際ドローン展覧会には、110社余りの出展があり、約200機のドローンが展示されていました。日本からは、JUIDAの千田泰弘副理事長が参加して、現地で講演を行いました」と熊田氏は話す。
展覧会に展示されていた産業用ドローンは、警備やセキュリティ用途、消防用、農薬散布、計測用などに分類され、公安や政府機関が積極的に購入しているという。公安向けのドローンの中には、車に取り付けられた発射台からドローンを打ち出すものもあり、捜索などに活用されている。
「展示機の中には、ペイロード15kgで5時間の飛行が可能なドローンや固定翼タイプのドローンも数多く展示されていました」と熊田氏。
展覧会の報告に加えて、中国メーカーのDJIを視察した様子や、ファーチャンペーという深セン市内の秋葉原のような街の上空を規制されていないドローンが普通に飛行している様子などが紹介された。
最後に、JUIDAの千田泰弘副理事長が登壇し、「ドローンの国際標準化の動き」について講演した。千田氏は、国際標準化機構(ISO)が、UASの標準化作業に取り組んでいる経緯を説明し、現在は3つのワーキンググループが英国や米国がリーダーとなって推進している状況を報告した。
「2年以内には、バッテリーやIDシステムにリスク低減技術や飛行制御センサーなどの標準化を目指しています。また、3〜5年以内には、ペイロードや電波干渉にナビゲーションなどの標準化も計画しています」と千田氏は話した。
深センの展示会のレポートは、JUIDAのサイトに掲載されている。

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