日立システムズがドローンの具体的な活用例を紹介するセミナー開催

日立システムズがドローンの具体的な活用例を紹介するセミナー開催

株式会社日立システムズのロボティクスソリューション事務局は、都内で「現状と将来を踏まえたドローン活用術 vol.1」と題するセミナーを開催した。90名の定員に130名の事前申し込みがあり、当日は立ち見が出るほど盛況なセミナーとなった。


日立グループのドローン事業への取り組み

登壇した株式会社日立製作所のIoT推進本部ドローン事業開発プロジェクト担当本部長の飯野隆之氏。手前はエンルート社のZionQC730。

 セミナーの冒頭、株式会社日立製作所 IoT推進本部 ドローン事業開発プロジェクト 担当本部長の飯野隆之氏が登壇し、日立グループとしてのドローン事業に対する体制や取り組みについて紹介した。 日立製作所では、代表執行役 執行役副社長を務める斎藤祐氏が、IoT推進本部の本部長を兼務し、そのIoT推進本部の中に、飯野氏が在籍するドローン事業開発プロジェクトがある。そして、日立製作所のドローン事業開発プロジェクトが中心となり、日立グループ全社のドローン事業を取りまとめている。 日立グループには、セミナーを主催した日立システムズのようなIT企業だけではなく、電力・エネルギーや産業・流通・水に、ビルシステムなどのアーバン事業、そして金融や公共社会など、産業から社会インフラまで幅広い企業グループがある。これらすべてのグループをドローン事業開発プロジェクトが取りまとめて、産業用ドローンのビジネスを展開していく。
 飯野氏は「日立グループの中では、電力や鉄道に各種産業セクターから、ドローンを活用するソリューションのビジネスが流れてきます。それをドローンの利活用を推進するグループ企業が中心となって、ビジネスを展開していきます」と話す。また日立製作所としては、今後のドローン利活用に運航管理システムの存在が重要と捉え、JUTMコンソーシアムの事務局長を務める企業として、積極的な国産標準化にも取り組んでいる。
 「ドローンを利活用するビジネスでは、安全にドローンを飛行させるプラットフォームとなる運航管理システムを基盤として、それぞれの産業に特化したソリューションの提供が、お客様の業務プロセスを革新していきます」と飯野氏は日立製作所のドローン事業への取り組みについて話す。

日立グループのドローン事業体制図

ドローンの現状や将来性と空の産業革命に向けた環境整備

基調講演を行う株式会社エンルートM's代表取締役の辺見 俊彦 氏。

 日立製作所のドローン事業に関するビジネスモデルが紹介された後、基調講演には株式会社エンルートM's 代表取締役 辺見 俊彦 氏が登壇し、ドローンの現状および将来の市場性について講演した。同社は、エンルート社の販売部門であり、ソリューションの提供や機体の製造、さらにトレーニングなどの業務を担当している。またアサヒ電子と協力して、Ridge Hawkというフライトコントローラーも開発している。
 講演では、2017年のロードマップとして、全国販売ディーラー体制の開始や農業用ドローンの販売網の構築に、スクール事業の展開、そしてi-Constructionへの本格参入などの計画が発表された。さらに、補助事業が採択され、福島のイノベーション・コースト構想に本格的に参加すると表明した。
 続いて登壇した日立製作所の秋本 修氏は、日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)の事務局長として、「空の産業革命」実現に向けた環境整備への取り組みについて講演した。JUTMとしての活動や政府機関の取り組みなどについて説明した後に、秋本氏は「空の産業革命の実現には、自動車と同様の環境基準整備が必要」と訴え、「運航管理システムの整備には2つの流れがある」と解説する。ひとつは、空域を統合するために、米国のFAA(連邦航空局)が主導するNAS(National Airspace Sysytem)のドローンへの統合。もうひとつは、空域を分離するために、NASA-UTMとGUTM-AにJUTMが検討している低高度のドローン管理。そして「物流分野でのドローン利活用は、災害対応用ドローンの機体開発に匹敵するほど、実現のハードルが高い」と指摘し、「ドローンの識別や衝突回避などには新たな電波の検討が必要で、利活用を促進する法律の制定も求められている」と秋本氏は環境整備の重要さを改めて訴えた。

日立システムズが取り組むドローン事業および関連ソリューション

会場で小型ドローンのDobbyをデモフライトする曽谷氏

 セミナーの最後には、株式会社日立システムズ ロボット事業推進部 本部主管 曽谷 英司氏が、同社の取り組むドローン事業と関連ソリューションを紹介した。曽谷氏は、ドローン運用統合管理サービスについて解説し、ドローンを安全に飛行させるためのポイントを指摘した。その安全のポイントの中にある、電波状況の重要さを実感してもらうために、小型ドローンのDobbyをスマートフォンからのWiFi電波でコントロールするデモンストレーションを行った。「複数の電波が乱立する状況では、ドローンを制御できないこともあります」と曽谷氏は事前に説明した上で、安全に充分に配慮してDobbyを飛行してみせた。そして、ドローンを活用したソリューションの一例として、130mの煙突を検査した事例を紹介した。「法律で定められているドローンの高度が150mまでなので、149mの高度に達したドローンの高精細カメラで、煙突の内部のレンガの状態を詳細に撮影しています」と曽谷氏は動画を見せ、「この映像を当日はリアルタイムで関係者が共有しながら、確認したい箇所を指示してドローンを飛行させていました」と点検の様子を解説した。
 講演の最後で曽谷氏は「今後はドローンがAIと連携して、新たなITサービスを展開していきます」と将来構想を語った。

130mの煙突を点検する動画を紹介する曽谷氏

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