NEDO、運航管理システム開発に着手 「2019年度に10台以上の同時運航を」

NEDO、運航管理システム開発に着手 「2019年度に10台以上の同時運航を」

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は15日、ドローンの運航管理システムの開発に着手すると発表した。期間は今年度から3年間で、NECなど民間企業5社と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が技術を持ち寄り、2019年度には10台の同一空域・同時運航に挑む計画だ。


NEDOが推進する無人航空機の安全な運航管理システムを実現するプロジェクトに参画した各企業、団体の幹部。左からJAXAの伊藤文和理事、楽天の虎石貴執行役員、NTTドコモの中村寛執行役員、NEDOの古川一夫理事長、経産省の糟谷敏秀製造産業局長、NECの木下学執行役員副社長、NTTデータの臼井紳一執行役員、日立製作所の南邦明理事=6月15日、東京都千代田区霞が関のNEDO分室

 NEDOが着手するのは、都市部での荷物配送の実現を視野に入れた、同一空域での複数同時運航の安全管理システム。株式会社日本電気(NEC)、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所、株式会社NTTドコモ、楽天株式会社の5社が参画し、JAXAがシステムの全体設計を担う。
 政府は成長戦略の「未来投資戦略2017」で、都市部でのドローンによる荷物配送を2020年代に開始する「移動革命の実現」を明記している。NEDOはこれの実現を視野に、初年度となる2017年度中にシステム設計、運航ルールを実施、2019年度には福島県南相馬市の「福島ロボットテストフィールド」でそれまでの成果を試す実験を実施する。実験では、南相馬市から浪江町までの13キロの区間を、操縦者が肉眼で期待を確認することなく飛ばす「目視外」の状況で、10台以上を運航させることを目指す。
 この取り組みは、NEDOが2017年度に新規事業として取り組む「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギーの実現プロジェクト」の一環。2017年度予算として政府は33億円を計上している。全体で21のテーマがあり、44事業者が取り組む。これらの取り組みを通じて、システムの国際標準化を目指す。
 なお、ドローンの運航管理システム(UTM)については、すでにいくつかの取り組みが進んでいる。NEDOは「ほかの取り組みとの連携も排除しない」と話しており、取り組みが拡大する可能性がある。また、今回の取り組みで想定されていない旅客機など有人機との同時運航についても、今回の取り組みの中で、どう連携させるかが焦点のひとつとなる。
 発表会ではNEDOの古川一夫理事長が、「ドローンはもっとも有望な技術、ビジネスのひとつ。異なるメーカーの複数のドローンが自由に飛べるためのキーは運航システムだ。日本では多くの企業が技術、ノウハウを持っている。それらを持ち寄り世界に冠たるシステムを作りたい。必要な規制緩和については、国土交通省、総務省、警察庁、自治体の理解も必要だ。国際協調のためにJAXAの協力も仰ぐ。オールジャパンで、世界で負けないシステムにしたい」と意気込みを語った。

この記事のライター

関連するキーワード


NEDO 経産省 NEC

関連する投稿


空飛ぶクルマの実現にCARTIVATOR Resource ManagementとNECがスポンサー契約締結

空飛ぶクルマの実現にCARTIVATOR Resource ManagementとNECがスポンサー契約締結

日本発の空飛ぶクルマの開発活動「CARTIVATOR(カーティベーター)」を運営する一般社団法人CARTIVATOR Resource Management(東京都新宿区)と、 日本電気株式会社(東京都港区)は、 2020年の空飛ぶクルマの実現に向けてスポンサー契約を締結した。


世界初、4G LTEで複数ドローンの自律飛行による広域警備に成功

世界初、4G LTEで複数ドローンの自律飛行による広域警備に成功

3月15日。NEDO、KDDI、テラドローン、セコムは、世界初となる、第4世代の高速通信規格 (4G LTE)を活用して、複数のドローンを自律飛行させる警備の実証実験をメディアに公開した。


NEDOが橋梁点検に用いる無人航空機の性能評価基準策定に向けた飛行試験を実施

NEDOが橋梁点検に用いる無人航空機の性能評価基準策定に向けた飛行試験を実施

NEDOは、富士通、日本電気、イクシスリサーチ、エンルート、プロドローンとともに、橋梁点検のための無人航空機の性能評価基準策定に向けた飛行試験を千葉県東金市で実施した。


NEDOとスカパーJSAT、衛星通信を利用した高高度無人航空機の飛行・通信実験を福島県で実施

NEDOとスカパーJSAT、衛星通信を利用した高高度無人航空機の飛行・通信実験を福島県で実施

NEDOとスカパーJSATが地上通信が困難な環境下でもドローンが飛行可能な運航管理システムの実現目指す実験を福島県のスカイパークで実施し、目視外エリアでもドローンの通信環境を構築できる可能性を確認した。


ヘリからドローンは見えるのか NEDO、SUBARU、エンルート、プロドローンが南相馬で実験

ヘリからドローンは見えるのか NEDO、SUBARU、エンルート、プロドローンが南相馬で実験

 ヘリコプターの操縦者は、ドローンを見ることができるのか、などについて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と関連事業者が、12月15日、福島県南相馬市に整備中の復興工業団地内福島ロボットテストフィールドで実験し、その様子を公開した。


最新の投稿


DJI、世界中の絶景空撮作品を「東京カメラ部 2018 写真展」に出展

DJI、世界中の絶景空撮作品を「東京カメラ部 2018 写真展」に出展

DJI JAPAN 株式会社(東京都港区)は、 4 月 26 日 (木)から 5 月 5 日(土)まで、渋谷ヒカリエにて開催される「東京カメラ部 2018 写真展」に協賛し、日本の四季や世界各国から集められた空撮作品を出展する。


ドローンの識別システム市場は2022年までに年平均で64%の成長予測

ドローンの識別システム市場は2022年までに年平均で64%の成長予測

米国ヒューストンのリサーチ N レポート社は、グローバルUAV識別システム市場調査レポート2017を発表し、2022年までに年平均成長率(CAGR)が64%に達すると予測した。


国交省、「ドローン✕インフラメンテナンス」セミナーを開催 第1回はドローン関連政策・技術開発動向

国交省、「ドローン✕インフラメンテナンス」セミナーを開催 第1回はドローン関連政策・技術開発動向

インフラメンテナンス国民会議では、小型無人航空機によるインフラ点検・診断技術の試行・導入等を支援するための情報交換の場となることを目指し、以下のとおり、行政担当者や民間事業者等を対象としたセミナーを開催します。


ORSOがドローンプログラミングが学べるアプリ「DRONE STAR(C)プログラミング」の配信とサービス開始

ORSOがドローンプログラミングが学べるアプリ「DRONE STAR(C)プログラミング」の配信とサービス開始

ITサービス開発とドローン利活用推進を手掛ける株式会社ORSO(東京都千代田区)は、 誰でも簡単にドローンプログラミングが学べるアプリ、 「DRONE STAR(C)プログラミング」を4月17日から配信し、 サービスを開始した。


ネイチャーサービス、国立公園4箇所のドローン映像を無償提供開始

ネイチャーサービス、国立公園4箇所のドローン映像を無償提供開始

特定非営利活動法人Nature Service(埼玉県坂戸市/ネイチャーサービス)は、 4月23日より、 阿寒摩周国立公園、 十和田八幡平国立公園、 日光国立公園、 慶良間諸島国立公園の4箇所のドローン空撮映像の無償提供を始める。