ドローンの完全自律飛行を目指すレーザー計測システムのHovermap

ドローンの完全自律飛行を目指すレーザー計測システムのHovermap

航空測量やレーザー計測業務を展開する株式会社みるくる(本社:東京都渋谷区、代表取締役:敷田みほ)は、オーストラリアから来日したDr Stefan Hrabar氏によるセミナーを開催し、SLAM UAV Lidar システムのHovermapによるドローンの完全自律飛行に向けた取り組みを紹介した。


ベロダイン製LidarによるリアルタイムSLAMで非GPS飛行を実現

Hovermapの説明をするDr Stefan Hrabar氏

 Dr Stefan Hrabar氏は、ドローンやロボットの自律運行を実現するためのSLAM(Simultaneous Localization and Mapping:自己位置推定と環境地図作成を同時に行う)技術を研究してきた。その研究の成果として、理想的なSLAMを実現するために3次元 Lidar(レーザー画像検出)で測定したデータをリアルタイムで処理する技術を確立し、Hovermapというシステムを開発した。セミナー会場で紹介されたHovermapのプロトタイプは、ベロダイン製のVLP-16というLidarを利用し、Lidarを制御するコンピュータでデータを記録し、リアルタイムSLAMを実現する。バッテリーも含めた総重量は約1.7kgで、ドローンに取り付けるアタッチメントを装備している。一回の充電で約35分間の計測が可能になる。プロトタイプでは、Lidarで測位したデータをメモリカードに保存し、そのデータをPCにインストールしたHovermapアプリで3D画像に変換する。このHovermapの基本的な仕組みとプロトタイプのLidarをドローンに搭載するだけでも、高精度な3Dマップの作成が可能になる。しかし、Hrabar氏か゜Hovermapで実現しようとしてるドローンの自律飛行というビジョンは、さらに先にある。LidarによるSLAMでは、GPSによる測位システムを使うことなく、レーザーの届く範囲の立体構造をリアルタイムで認識できる。そのデータを元に、ドローンの飛行制御システムと連携させることにより、GPSを使わない自律飛行が可能になる。すでにオーストラリアでは、HovermapとDJIのM600というドローンを組み合わせて、電波干渉の激しい電波塔の近くや、GPS信号がまったく届かない地下鉱山の内部で、360度の方向で衝突を回避する飛行制御を実現している。

秋に完成するファーストモデルでドローンへの本格的な搭載を推進していく

エンルート製のドローンにプロトタイプのHovermapを取り付ける様子

 Hrabar氏が地下鉱山で実験した衝突回避システムは、「バブルシールド」と呼ばれる完全な自律飛行に向けた最初のステップ。「バブルシールド」は、SLAM技術で周囲の障害物を把握して、球体の保護シールドを作成する。この保護シールドに障害物が衝突しないようにドローンの飛行制御を行うことで、GPSが使えない地下鉱山でも安定した飛行を実現する。この技術を利用するだけでも、現在のGPS航行によるドローンで課題とされている橋梁下やトンネル内での安定した自律飛行が可能になる。さらに、今年の秋に完成を目指しているHovermapのファーストモデルでは、カメラとRTK/GPSも搭載し100m範囲でのレーザー計測とリアルタイムでの空間認識を実現する計画。このファーストモデルにドローンの飛行制御システムを組み合わせることで、非GPS環境下や夜間の自律飛行も可能になる。そしてHovermapの製品化に向けて、Hrabar氏は新たにEmesentという会社を設立し、産業用ドローンの自律飛行を支援するハードウェアやソフトウェアを提供していく。日本でのドローン関連のビジネスについてHraba氏は「日本市場には大きな可能性があると思います。ただ、法規制の問題など、日本でのビジネスには難しい面もあります。しかし、私たちが実現しようとしているHovarmapによる自律飛行は、ドローンをより安全にして、利便性も高めていくので、ビジネスチャンスは大きいと考えています」と話す。

 日本では、株式会社みるくるが総代理店となってドローンへの搭載などの問い合わせにも対応する。

問い合わせ先
株式会社みるくる
http://www.mirukuru.co.jp/index.html
TEL 03-4360-5557 / FAX 03-4360-5790

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