【慶大×田村市】特別講座第2期開講!「田村をドローンの聖地に」 1年生7人が新加入

【慶大×田村市】特別講座第2期開講!「田村をドローンの聖地に」 1年生7人が新加入

 慶應義塾大学と〝ドローン協定〟を結んでいる福島県田村市は6月10日、市内の県立船引高校生を対象に開講している「ドローン特別講座」の第2期開講式を田村市役所で開いた。受講生に1年生7人が新たに加入。先輩から操縦法を身に付け、利活用を学ぶ。慶大と市は特別講習を核に、同市を「ドローンの聖地」に定着させる取り組みを展開する。


9月の音楽フェスで、ライブ映像空撮を担当!

 第2期は、基礎技術と基礎知識を身に付けた後に、「空撮」「社会課題解決」「レース」に分かれて応用技術を磨くまでは1期と同様だが、設定される目標が第1期と異なる部分がある。
 空撮班は9月9日に市内で開催予定の「地方発信型野外フェスONE+NATION music circus」で、ライブの模様をスクリーンに映し出す際のドローン操作を担う。多数の人が集まる会場でドローンをフライトさせるには、国土交通省に申請が必要となり、そのためには申請の要件であるフライト経験を満たす必要が出てくるため、練習時間の確保が最初の関門となる。それとは別に、10月に締め切られる予定の「CMコンテスト」への出品も視野に入る。
 レース班では、8月下旬に開催予定の練習試合に出場することになる予定だ。8月下旬に合宿形式でドローン操縦の腕を競い合うことを計画していて、ドローンを扱う他の高校の生徒にも参加を呼びかける。実現すれば、国内では珍しい高校生同士のドローンレース選手権となる。社会課題解決班は、地域密着型の課題解決を目指し、地元の課題のドローンの利活用による解決を目指す。指導をたばねる慶大SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長は、「社会を変える3つの『者』として、若者、よそ者、バカ者、とよくいわれる。高校生が若者。慶大はよそ者。みなさんの中からぜひ『バカ者』に名乗りをあげて協力してほしい」と、笑いを誘いながらよびかけた。
南事務局長は8月までに数回、田村市を訪れて直接、指導をする。各界の第一線で活躍するプロも招いて指導することも計画している。

ドローン特別講座第2期開講式で、9月に開催されるフェスで、ライブ映像のドローン空撮を担わせる計画を明らかにした慶大SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長

「田村市ドローンコンソーシアム」(仮)への参加を呼びかけ

 また慶大は、こうした取り組みの成果を定着させ、田村市との連携効果を高めるため、市内の叡知、資金を集める枠組みとして「田村市ドローンコンソーシアム」(仮称)の設立を提案、市内の企業や事業主、企業、研究機関など広く市民に参加を呼びかけた。
 地域コンソーシアム設立構想は、慶大SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの古谷知之代表が、開講式に先立って行われた講演の中で明らかにした。
 古谷代表は講演の中で、「ドローンをきっかけに様々な作業が地元に根付く、生態系を育みたいと考えています。訓練や実験に取り組む場所の提供、組み込み工作機械、測量など技術の蓄積がある企業には、研究開発の機会の提供などをお願いしたいと思っております。東京に本社を置く会社であっても、田村市でなら研究開発ができる、と言われる場所になれると思っています。そしてこうした取り組みを通じて、田村市がドローンの聖地として、『東日本でドローンといえば田村市』と言われるぐらいにしていきたいと思っています」と意気込みを示した。また市民に対し、「2つのお願いがあります。ひとつは、お子様や若者がドローンに限らず新しい取り組みを始めたときには応援してほしいということ。もうひとつはコンソーシアムの参加申し込みにサインして頂きたいということ」とユーモアをまじえて話し、講演を締めくくった。

「ドローンの生態系を田村市で育みたい」と、地域コンソーシアムへの参加を呼びかける古谷知之・慶大SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアム代表

ササモモさん「みんな、ゼロからのスタート! ドローンは狙い目!」

 また女子力を通じてドローンの普及活動を展開している「ドローン女子」代表の佐々木桃子(ササモモ)さんも、この日のために駆け付けて講演した。
 「私はもともとパソコンが大好きな主婦でした。ドローンに出会ったときに、空を飛ぶパソコンだと思ったんです。それで、これを使って日本を元気にしたいと思うようになって、いろんな取り組みを始めました。それから1年半で、みなさんの前に立って、講演をしています」
 「メンバーは全国に50人以上います。女性がマルチに活躍できる場を開拓しながら、安心と安全を軸に、ドローンを通じた雇用の創出と、次世代を担う子供たち御育成に関わっています。具体的には、ドローン業界唯一の広告塔〟として、自治体のPR、講演活動などをしています。田村市でイベントがあれば、外部からお客様を呼び、その模様をSNSなどで伝え、現場で盛り上げる、この『呼ぶ』『伝える』『盛り上げる』の3点をセットに活動しています」
 最後に「覚えておいて頂きたいことがあります。それは、みんな、ゼロからのスタートだということです。ドローンについては、イチまで進んでいるひとはほとんどいない。狙い目です。ぜひはじめて、続けてほしいと思っています」とドローンの利用をすすめ、来場者のドローンへの関心を引き上げた。

「ドローン業界唯一の広告塔」と活動の趣旨を笑顔で説明する「ドローン女子」代表のササモモさん

成果発表に「感動」の声 本田市長「田村でがんばりたいと言われるように」

 この日は、昨年12月から今年3月までの第1期ドローン特別講習の成果発表も行われ、「空撮」の2チーム、「社会課題解決」の2チームが市民の前で取り組みを発表した。
 「空撮」班は、第一期期間中に製作した船引高校を舞台にした映像を披露。慶大ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹事務局長の問いかけに、製作した生徒が一人ずつ「学校に朝早くにでかけて撮影した朝日のシーンが好きです。船引高校からこんなにきれいな朝日が見える、ということを伝えたくてこのシーンを冒頭に持ってきました」と、作品を製作するさいの思いや、こだわりポイントを説明すると、来場者がうなずく光景がみられた。
 空撮チームのうち3人は、第1期終了後の4月下旬に市内の桜の名所、万福寺の桜も撮影していて、この日はその映像も上映。ササモモさんが「始めにみた第1期の映像と見比べると腕が上がっていることが明らか。思い伝わって感動しました」とコメントをした。
 また、桜の撮影を指導した株式会社糺の森のドローンオペレーター、土方愛玲奈さんは、プロとして撮影した同じ桜の映像を上映。プロとの力の差も体感した。
 開講式と成果発表会のあと、船引高校の伊豆幸男校長は、「これほど恵まれた高校は、福島県内にはないと思います。ほかでは味わえないことが、船引高校では味わえる」と連携相手である慶大関係者や取り組みに尽力してきた関係者に謝意を表明。そのうえで「ドローン特別講習で3つの感想を持ちました。生徒は興味を持つと吸収が速いこと。新たな取り組みで生徒の世界が広がること。学びの場も広がったこと。生徒には、いろいろなチャンスが目の前にあることに気付き、それをいかしてほしいと思っています」と話した。
 さらにこの日は、本田仁一市長も出席。会の冒頭には「福島県は南相馬でドローンの拠点づくりが進んでいますが、いつの間にか、福島県のドローンの拠点は田村市だったのか、と言われるように発展していけばいいと思っています。田村市の子供たちが、田村市でがんばりたいと思うような田村市をつくりたいし、そうなるようにみなさんと田村市をもりたてたい。ドローンをそれに使っていければいいと思っています」と表明。本田市長はこの日の開講式、成果発表会を最後まで同席し、ドローンへの強い期待を示した。
 慶大と田村市のドローン連携は今年度、さらに加速しそうだ。

生徒、講演者もみんながステージにあがって集合写真を撮影し、第2期スタートを飾った

真剣な表情で生徒の発表に聞き入るドローン社会共創コンソーシアムの古谷代表(左)と「ドローン女子」代表のササモモさん

製作した作品を上映したあと、作品の「こだわりポイント」について話す空撮班の生徒

発表を終え会場にあいさつをする船引高校の生徒

第2期開講式に臨む船引高校生

ドローンへの期待を力強く表明した田村市の本田仁一市長

会場にはドローンの機体も展示された

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