ドローン活用による農業リモートセンシングの最前線

ドローン活用による農業リモートセンシングの最前線

アグリテック・サミット(主催:日本経済新聞社)で、ドローン・ジャパンの勝俣喜一郎代表取締役が、ドローンを活用した農業のリモートセンシングの最前線について講演した。


ドローン+センサー+クラウドが農業リモートセンシングの基本構成

農業リモートセンシングの最新動向について講演する勝俣喜一郎氏

 勝俣氏はドローン・ジャパンを設立する以前は、日本マイクロソフトでIT関連のビジネスに携わっていた。その経験から、ドローンをセンサーデバイスとして農業に活用すると、圃場の水位に水温などの状況や生育状態の分布などを的確に判断できると考えている。そのためには、農業に適したセンサー機器を搭載したドローンを自動航行で飛行させ、得られたデータをクラウドに集約して、ITを駆使した分析や予測を行うトータルソリューションの構築が必要になる。その概念を示したものが、会場で紹介された一枚のスライドに示されている。

農業リモートセンシングのトータルソリューション構成イメージ

 この図からもわかるように、圃場のセンシングには空中ドローンだけではなく、水上ドローンなどの活用も必要になる。そこで、ドローン・ジャパンでは大学の研究者と連携して水上で水温などをセンシングできる水上ドローンの開発にも取り組んでいる。また、空中ドローンに関しても、マルチコプター型の機種だけではなく、今後は固定翼ドローンの活用が重要になると勝俣氏は指摘する。その理由は、飛行時間にある。

農業リモートセンシングで活躍するドローンの種類

 一般的なマルチコプター型ドローンの飛行時間が、20分前後であるのに対して、固定翼ドローンは最長で120分の連続飛行が可能になる。その結果、100ヘクタールの農地を一度のフライトでセンシングできる。ドローン・ジャパンでは、北海道の協力農家と一緒になって、固定翼ドローンによるリモートセンシングの実地検証を開始している。今後は、クラウドに集約したデータの解析精度を高めていくと共に、同社のリモートセンシングサービスを利用する農家を広く募っていく。

開発中の水中ドローンを手にする勝俣氏

 さらに、ドローンを活用して育成した「米」を「ドローン米」としてプロモーションしていく”Drone RiceProject"も推進していく。同プロジェクトでは、収穫した「米」をパック米にして、QRコードから「ドローン米」の安全や安心を啓蒙する。農薬や化学肥料に極力頼らない米作りをドローンでサポートし、その成果を「ドローン米」として市場に発信することで、日本国内だけではなく海外へのブランド展開も狙う考えだ。

ドローン米を手にする勝俣氏

この記事のライター

関連する投稿


米国でDJI Phantom 4用の農業リモートセンシング向けジンバルが登場

米国でDJI Phantom 4用の農業リモートセンシング向けジンバルが登場

2018年2月22日。米国ミネアポリスのSentera社は、DJI Pahntom 4シリーズに取り付けられる小型のジンバルSentera Micro Gimbalを発表した。同ジンバルを取り付けたドローンは、精密農業のリモートセンシングが可能になる。


旭川でスマート農業シンポジウムを開催(1)

旭川でスマート農業シンポジウムを開催(1)

一般社団法人セキュアドローン協議会は、2018年2月16日に北海道旭川市のJA会館で、スマート農業シンポジウムを開催した。代表理事の春原久徳会長の特別講演や、農業生産者に研究機関の研究員などがパネルディスカッションに参加し、日本の農業とドローンに関する熱い議論が交わされた。


ドローンジャパン「ドローン米2018 キックオフイベント」開催 篤農家5氏のドローン米食べ比べ

ドローンジャパン「ドローン米2018 キックオフイベント」開催 篤農家5氏のドローン米食べ比べ

ドローンを活用した先進農業に取り組むドローン・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝俣喜一朗)は、2018年度の栽培に向けた“応援チーム”を結成する目的で、ドローン米2018 キックオフイベントを都内で開催した。


SEMICON 春原久徳氏がドローンセミナー 

SEMICON 春原久徳氏がドローンセミナー 

「SEMICON Japan 2017」(主催:SEMI)が12月13日〜15日に開催され、特別展示として「all about DRONES」を初めて実施、特別展を監修したドローン・ジャパン(株)の会長取締役の春原久徳さんがドローンに関するセミナーを行った。


半導体展示会SEMICON Japanに登場したドローン特別展示

半導体展示会SEMICON Japanに登場したドローン特別展示

東京ビッグサイトで2017年12月13日から15日までの3日間にわたって開催されたマイクロエレクトロニクス国際展示会のSEMICON Japan 2017に、ドローン・ジャパンが企画したドローン特別展示が開設された。


最新の投稿


DJI JAPANとトプコン、ドローン測量に標定点不要の写真測量専用ドローン「MATRICE 600 PRO for TS」発表

DJI JAPANとトプコン、ドローン測量に標定点不要の写真測量専用ドローン「MATRICE 600 PRO for TS」発表

DJI JAPAN株式会社(東京都港区)と株式会社トプコン(東京都板橋区)は、トータルステーションでドローンを自動追尾することで、 世界で初めて標定点 を不要とし、大幅な省力化を実現する空中写真測量システム「TSトラッキングUAS」に対応した専用ドローン「MATRICE 600 PRO for TS」の提供を開始した。


パーソルテクノロジースタッフとdoが「法人向けドローン活用セミナー」開催 7月26日、新宿

パーソルテクノロジースタッフとdoが「法人向けドローン活用セミナー」開催 7月26日、新宿

パーソルテクノロジースタッフ株式会社(東京都新宿区)は、 ドローンビジネス専門オンラインプラットフォーム「drone market」を運営するdo株式会社(東京都千代田区)と共催で、7月26日に「法人向けドローン活用セミナー」を開催する。


神戸市立須磨海浜水族園とソフトバンク コマース&サービス、水中ドローンによる海の生物観察イベント開催

神戸市立須磨海浜水族園とソフトバンク コマース&サービス、水中ドローンによる海の生物観察イベント開催

神戸市立須磨海浜水族園とソフトバンク コマース&サービス株式会社は、 水中ドローンを活用して海の生物観察を行う共同イベント「夏だ! スマスイ! 水中ドローン!!~さかな目線の大水槽~」を、 7月27日、 8月10日、 31日に開催する。


神戸市、IT企業の誘致・定着を目指す「スタートアップ等補助制度」を新設 認定1号にドローン関連企業

神戸市、IT企業の誘致・定着を目指す「スタートアップ等補助制度」を新設 認定1号にドローン関連企業

「スタートアップ等補助制度」適用の第1例目としてドローン関連サービスを行うスウィフト・エックスアイ(株)と(株)KURASERUの2社が認定された。


ソフトバンクコマース&サービス、対戦用小型ドローン「X1 FPV」発売。ドローンのドッグファイトが実現!

ソフトバンクコマース&サービス、対戦用小型ドローン「X1 FPV」発売。ドローンのドッグファイトが実現!

ソフトバンク コマース&サービス株式会社は、Wingsland社の対戦用小型ドローン「X1 FPV(エックスワン エフピーヴィー)」を7月19日から全国の販売パートナー、大手家電量販店、SoftBank SELECTION オンラインショップ、Amazon.co.jpなどを通じて発売開始する。