「ドローンソフトウェアエンジニア養成講座」の成果発表(2)

「ドローンソフトウェアエンジニア養成講座」の成果発表(2)

「ドローンソフトウェアエンジニア養成講座」を修了した一期生と二期生の中から、優秀な成果を出した塾生が、その内容を発表した。


振って投げてテイクオフする新しいフライトモード

 川村剛氏が発表したShake mode(シェイクモード)を搭載した自作の小型ドローンは、振ってARM(Arming the motorsの略称:モーター準備の意味)し、投げて飛ばす新しいフライトモードを実装した。そのこだわりのポイントは「強めに振るとARMする」という振る向きと速さと強さを検証していること。
 また「オリジナルの音でシェイクモードを通知する」と川村氏。さらにドローン本体は、Pixracer(小型のフライトコントローラー)を使ってとことん小さくした。残念ながら、屋外のデモフライトでは「投げてテイクオフ」は成功しなかったが、今後も改良を重ねて理想に近づけていく計画だ。

川村剛氏が発表したShake mode(シェイクモード)を搭載した自作の小型ドローンは、振って投げたところで離陸するデモを繰り返したが、落下に強く壊れにくいことは証明した。デモ前のビデオでは上手く飛んでいた。

RTK GPSで正確な高度を維持する水田の温度測定ドローン

 続いて海津裕氏が発表したのは、水田の温度分布を計測するためのドローン。「ドローンに水温を計測するためのプローブをぶら下げて温度とか計測する」と海津氏。しかし、そのためには「かなり精密にホバリングの高さを制御する必要がある」という。
 そこで、価格が安くなってきたRTK測位(Real Time Kinematic GPS :干渉測位方式)を搭載したドローンで、「水田からぴったり2mの位置にホバリングできる」正確な高度の維持を目指した。デモフライトでは、正確に2m、5m、10mの高度を維持するホバリングが披露された。

海津裕氏が発表したドローンは、RTK測位(Real Time Kinematic GPS :干渉測位方式)を搭載し正確な高度の維持を目指した。デモフライトでは、正確なホバリングが披露された。

ドローン活用を後方支援する「ドローン運用統合管理サービス」

 「ドローン運用統合管理サービス」を開発した鈴木祐一朗氏は、株式会社日立システムズのエンジニア。空撮した画像データなどのセキュアな保管や管理に、ドローン関連のデータを一元管理するクラウドサービスを企業として提供している。
 一期生として参加した鈴木氏は「まったく知らない状態から学んでいって、ドローンの中身ではなく、会社としてできることを前提にサービスの開発に取り組んできた」という。すでに「ドローン運用統合管理サービス」は、実際の事業として推進されている。今後は「クラウド上での3次元データ変換やCADとの連携に、建築物などの劣化診断など、ドローンの利活用のために必要となる管理機能の充実を目指していく」と鈴木氏。

株式会社日立システムズのエンジニアの鈴木祐一朗氏が発表した「ドローン運用統合管理サービス」。

ドローンの遠隔制御とリアルタイム監視

 発表の最後は、柴田有一郎氏と二期生の有志チームによるWi-Fi無線通信や携帯通信網を使用したドローンの遠隔制御とリアルタイム監視。その目的は「ドローンのIoT(モノのインターネット)化にある」と柴田氏。開発のポイントは、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)というプロトコルの利用。MQTTは、低帯域でメモリー容量の小さなセンサーやデバイスなどから情報を送ることを想定して設計されたプロトコル。IoTとして活用するデバイスにとって適した技術といわれる。
 柴田氏は「MQTTをArduPilotに積んで、WiFiかSORACOMに接続できるようにした」という。その結果、インターネット経由でドローンを遠隔制御したり、フライトログを取得して監視することが可能になった。
 屋外のデモフライトでは、WiFi通信でARM(モーターを準備してプロペラを回転)するまでの遠隔操作と、ドローンからのログをPCの管理画面で確認することが可能だった。しかし、残念ながら遠隔制御による飛行には至らなかった。ちなみに、SORACOMによるリアルタイムでのドローンからのフライトログの取得は、電波法の関係で実飛行ができないので、自動車に搭載して移動するドローンからデータを取得する様子が動画で紹介された。
 今後は「フライトデータのビッグデータ化と、そのデータをディープラーニングを活用して墜落の原因を調査したり、強化学習による自律飛行を目指す」と柴田氏。

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