北島室長、佐々木代表、古谷教授が講演、司会はササモモさん
前半は、論客が取り組んでいる事業、研究などについて講演が行われた。それぞれ講演。司会はドローンの魅力を発信する女子チーム、「ドローンジョプラス」代表・佐々木桃子さんが務めた。
福島県商工労働部ロボット産業推進室室長・北島明文氏は、ドローン産業への期待されている理由について、既得権益がない、参入障壁が低い、産業の裾野が広い、地方が有利、の4点を指摘。「20万円にくらべて格段に安くなった。これを使ってサービス提供、カメラなどのオプション機器、操縦訓練、通信インフラ、クラウド、法律事務所」など関連業務が幅広くさらい広がる」と可能性の大きさを説明した。
トライポッドワークス株式会社(仙台市)代表取締役社長・佐々木賢一氏は、山形・蔵王、岩手・猊鼻渓などのプロモーション用の動画を投影しながら、ドローンの価値について「それまでX―Y軸の平面で活動してきた人間が、高さというZ軸を手に入れたということ」と強調。「これまで見られなかったか、見るには高額な費用と多くのスタッフが必要だった視点を得ることができる」と力説した。
そして「ドローンは人が飛ばすのが本質ではない。自動で飛んでこそその本領を発揮する。これから、いま想像できない使い方が生まれると思う」と期待を表明した。
慶應義塾大学総合政策学部教授(ドローン社会共創コンソーシアム代表)・古谷知之氏は、現在お取り組みを、ドローンが社会に貢献することが当然となる「ドローン前提社会」の構築であると紹介。具体的には技術、社会応用、人材育成の3本柱であると説明した。
人材育成では、包括的な〝ドローン連携〟を締結している福島県田村市の県立船引高校で31人の生徒を対象に開催してきたドローン特別講座の取り組みを事例として紹介。「「人材育成を進めたうえで、その地域で地元企業などを有機的に関係づけるコンソーシアムを構築することも効果的。ドローン前提社会を作るのにカギを握るビジネスの生態系を築く取り組みを進めたい」と述べた。